作品と向き合うための“秘密のガーデン”が誕生

今回の公開にあわせて、展示エリアもリニューアルされた。カフェに隣接する空間には、草間自身による鮮やかなモザイクタイルが敷設され、作品を中心にした新たなランドスケープが構成されている。設計を手がけたのはトラフ建築設計事務所。コンセプトは、草間作品と静かに一対一で向き合える“秘密のガーデン”だという。
四季とともに移ろう草木の色彩、360度それぞれ異なる表情を見せる風景、そして木漏れ日の中で佇むためのベンチ。作品を見るという行為が、自然と呼吸を合わせる体験へと拡張されている。
彫刻の森美術館 ベンチ
丸の内から箱根へ、作品が見せる新たな表情
もともと《われは南瓜》は、2013年に東京・丸の内ストリートギャラリーで初公開され、2025年まで都市空間の中で親しまれてきた作品だ。それが今、箱根の豊かな自然の中へと移されたことで、同じ作品でありながらまったく異なる表情を見せている。
ビル群の間で立ち上がっていた彫刻が、木々や苔、風や光の中で呼吸し始める。その変化こそが、この移設の最大の見どころと言えるだろう。都市の中での緊張感とは異なる、より有機的で包み込まれるような鑑賞体験が、ここにはある。
