「うつ病と血液検査」についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「うつ病と血液検査」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
健康診断の血液検査で、うつ病などの精神疾患が分かりますか?
伊藤 規絵(医師)
健康診断の血液検査だけで、うつ病などの精神疾患の診断はできません。
精神科や心療内科で血液検査をするのはなぜでしょうか?
伊藤 規絵(医師)
うつ病そのものを調べるためではなく、うつ病に似た症状を起こす甲状腺機能低下症や貧血、肝機能・腎機能障害などの身体疾患が隠れていないかを確認し、必要に応じて専門科へつなげるためです。さらに、向精神薬の安全性を高めて使うために、肝機能や腎機能、血糖・脂質などを定期的にチェックし、副作用や血中濃度の異常がないかをモニタリングする重要な役割もあります。
採血によるPEA検査を受けると鬱や気分障害かどうかが客観的にわかりますか?
伊藤 規絵(医師)
PEA(リン酸エタノールアミン)は、うつ病で低下しやすい血中バイオマーカーとして研究が進んでおり、抑うつ傾向を客観的に評価する一助となる可能性がありますが、現時点ではPEA検査だけでうつ病や気分障害を確定診断できるわけではありません。
うつの可能性があるとき、心理カウンセリングや血液検査・脳波検査はすべて受けるべきですか?
伊藤 規絵(医師)
心理カウンセリングや血液検査、脳波検査をすべて受けなければならないわけではありません。まずは医師が問診で症状や経過、生活への影響を丁寧に伺います。そして、必要に応じて身体疾患の除外のための血液検査や、てんかんなどほかの病気が疑われる場合の脳波検査、状態把握のための心理検査を行います。どの検査が自分に必要かは診察のなかで相談しながら決めていきます。
まとめ
うつ病の血液検査は、うつ病そのものを診断する検査ではなく、うつ病に似た症状を起こす身体の異常が隠れていないかを調べるために行います。気分の落ち込みや意欲低下が続くときは、血液検査の結果だけに一喜一憂するのではなく、症状や生活への影響を医師に相談し、必要に応じて心療内科・精神科での診察や治療につなげていくことが大切です。
「うつ病と血液検査」で考えられる病気
「うつ病と血液検査」から医師が考えられる病気は8個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
精神科系の病気
精神科系
うつ状態冬季うつ双極性障害婦人科の病気
婦人科系
更年期障害内科・内分泌系の病気
内科・内分泌系
甲状腺機能低下症鉄欠乏性貧血肝臓病腎機能障害
うつ病と血液検査の結果からは、更年期障害や鉄欠乏性貧血、甲状腺機能低下症、肝機能障害、腎機能障害などの病気が指摘される可能性があります。
「うつ病と血液検査」と関連した症状
「うつ病と血液検査」と関連した症状は8個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
憂鬱
外に出るのが怖い頭がスッキリしない朝起きられない
無気力情緒不安定注意力散漫夜になると眠れない
憂鬱感や無気力、朝起きられない、眠れないなどの日常生活に支障をきたす心身のサインが見られる場合は、我慢せず早めに医療機関への相談が大切です。
参考文献
日本うつ病学会治療ガイドラインⅡ.うつ病(DSM-5)/ 大うつ病性障害 2016(2024年3月1日 改訂)
Shimizu E, et al. Diagnostic and predictive utility of plasma phosphoethanolamine levels in depressive disorder. Int J Methods Psychiatr Res. 2025.
身体症状に潜むうつ病(レジデント)
向精神薬の副作用モニタリング・対応マニュアル日本精神神経学会薬事委員会タスクフォース報告
心もメンテしよう(厚生労働省)
血液検査の結果の見方(日本予防医学協会)
受診推奨判定値について(厚生労働省)
働く女性の心とからだの応援サイト(厚生労働省)
鉄欠乏性貧血(済生会)
甲状腺機能低下症(慶應義塾大学病院)
血液検査(肝臓検査.com)
腎臓の病気について調べる(一般社団法人日本腎臓学会)
心の耳の相談窓口をご紹介します!(厚生労働省)
- ただの疲れと思っていない? 4月に増える不調は「適応障害」や「うつ病」の初期サインかも【医師解説】
──────────── - 「頭が重い」「考えるのが疲れる」「不安が続く」…その症状”AIストレス症候群”かも。心の病気につながるリスクも?
──────────── - うつ病の患者に「頑張ろう」は禁句!? 身近な人がうつ病になったときの対応Q&A
────────────

