肝機能の精密検査前日の過ごし方や注意点とは?
肝機能検査の前日に気を付けないといけない点はあるのでしょうか。ここでは特に注意したい点やよくある疑問について解説します。
肝機能検査前にどう過ごせばいい?
肝機能検査で一般的に調べられる項目としてはAST/ALTがあります。これらの酵素については肝臓以外に筋肉などほかの細胞にも含まれます。そのため、前日に激しい運動などを行うと、筋肉の細胞が壊れてしまい、異常値が出ることがあります。前日は激しい運動などは控えるようにしましょう。
肝機能検査前に食事や水分の制限はある?
肝機能検査として多くの場合腹部超音波検査を行います。腹部超音波検査を行う場合は胃や腸に食べ物があると検査の妨げになるため食事を行っていると十分な検査ができません。そのため検査前には食事をとらないようにしましょう。
肝機能検査で普段飲んでいる薬はどうすれば良い?
肝機能検査では普段飲んでいる薬に制限がないことがほとんどです。ただし、いくつかの例外があります。まず腹部超音波検査(腹部エコー)などの画像検査を行う場合は検査前に絶食となります。そのため糖尿病で血糖を下げる薬を飲んでいる場合、その薬を飲んでしまうと低血糖になります。検査前には薬を控えましょう。また、精密検査で肝臓の組織をとることがあります(肝生検)。この場合、エコーを確認しながら直接肝臓を針で刺していくため出血のリスクが高いです。そのため、血液を固まりにくくする薬を飲んでいる人は薬の変更や中止など制限がかかることが多いでしょう。検査前に医師から説明がありますので、それに従ってください。他、肝機能障害の原因として薬剤などが疑われている場合、薬剤を中止して再度血液検査を行うことがあります。この中止期間に薬を飲んでしまうと原因がはっきりしません。指示に従い薬を飲まないようにしてください。
「肝機能の精密検査」の見方と再検査が必要な結果
再検査・精密検査を受診した方が良い結果がいくつかあります。以下のような診断結果の場合にはすぐに病院に受診しましょう。
「肝機能の精密検査」の基準値や結果の見方
肝臓の精密検査では具体的にどのような項目を見るのでしょうか。一般的にはじめに行う血液検査と腹部超音波検査について解説します。
【血液検査】
まず血液検査では下記のような項目を調べます。もちろん必要に応じて検査項目を追加して行っていきます。
AST(基準値:30 U/L以下)、ALT(基準値:30 U/L以下):肝細胞にどのぐらいダメージがあるかを判断します。50などを超えてくると早めの検査が必要です。
γ-GTP(基準値:0〜50 U/L):アルコールにも敏感に反応します。
LDH(基準値:106〜220 U/L):細胞の中にいる酵素です。細胞が障害を受けたときに上がります。
ALP(基準値:38〜113 U/L):胆道(肝臓からの消化液を流す管)に何らかの異常があったときに上がります。
総ビリルビン(T-Bil)(基準値:0.3〜1.2 mg/dL):胆道に何らかの異常があったときに上がります。黄疸の値であり、2.0以上になると白目が黄色くなりはじめてきます。
総タンパク(基準値:6.5〜8.0 g/dL):タンパク質が低いと肝臓の機能が下がっている可能性があります。
アルブミン(基準値:4.0〜5.2 g/dL):肝臓の合成能(タンパク質を合成する能力)を表します。
PT(基準値:80〜100%):止血能の指標です。特に40%を切るとかなり肝臓が悪い状態です。
HBs抗原/抗体、HBc抗体、HBe抗原/抗体、HBV-DNA:B型肝炎に関する項目です。
HCV抗体、HCV-RNA:C型肝炎の指標です。感染していれば治療が必要となります。
【腹部超音波検査】
腹部超音波検査(腹部エコー)では肝臓の状態を評価していきます。例えば、肝臓に脂肪がついているか、肝臓が硬くなっていないか、肝臓になにか腫瘍ができていないかなどになります。
「肝機能の精密検査」の異常値・再検査基準と内容
先に述べた検査で異常が出た場合は追加で検査を行っていきます。例えば肝臓に腫瘍があった場合はそれがどんなものなのか、悪性なのか良性なのかを、悪性であればどこまで広がっているかなどを評価するために腹部MRI検査や腹部造影CT検査を追加します。悪性が疑われた場合は肝生検を行い、組織を調べます。また、自己免疫による肝炎が疑われた場合でも肝生検を行い、確定診断を行います。検査の結果やどんな病気かによって検査の緊急性や再検査・追加検査の内容、治療内容は全く異なります。そのため、検査費用や検査期間なども異なります。検査については消化器内科で行うことが多いでしょう。主治医に相談、確認をしてください。

