アルドステロンとは?メディカルドック監修医がアルドステロンの働きやアルドステロン症の症状・原因などを解説します。

監修医師:
上田 莉子(医師)
関西医科大学卒業。滋賀医科大学医学部付属病院研修医修了。滋賀医科大学医学部付属病院糖尿病内分泌内科専修医、 京都岡本記念病院糖尿病内分泌内科医員、関西医科大学付属病院糖尿病科病院助教などを経て現職。日本糖尿病学会専門医、 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医、日本専門医機構認定内分泌代謝・糖尿病内科領域 専門研修指導医、内科臨床研修指導医
「アルドステロン」とは?

アルドステロンとは、身体の血圧を上げる働き(昇圧作用)に関わるホルモンの一種です。
人間の身体は、ホルモンという物質を血中に流し、目的の臓器や組織に届けることで生命活動を維持しています。
アルドステロンを含め、ホルモンが適切に分泌されることで、血圧を維持しているのです。
アルドステロンは日頃頻回に測定するホルモンではありませんが、
「血圧が高いので、一度高血圧症をきたす他の病気がないか調べてみましょう」
医師にこのように言われて、アルドステロンを含む採血検査を受けたことがある方がいるかもしれません。
もしくは、別件で受けたCT検査で副腎という臓器に腫瘤や腫脹を認めた場合にも、アルドステロンを測定することがあります。
アルドステロンが多いと、血中のカリウムという物質が少なくなったり(低カリウム血症)、高血圧をきたしたりします。
「アルドステロン症」とは?

アルドステロン症には原発性アルドステロン症と続発性アルドステロン症が存在します。
アルドステロンを産生する臓器に腫瘤や、過形成といって副腎が少し大きくなって働きすぎている状態がおきると、体内のアルドステロンが過剰になる場合があります。この状態を原発性アルドステロン症と呼びます。
高血圧の患者さんの3〜29%程度が原発性アルドステロン症を合併していると言われています。
高血圧症の患者さんのなかでも、原発性アルドステロン症の可能性が高いケースは次の通りです。
・低カリウム血症の合併(利尿薬を投与している場合を含む)
・治療抵抗性の高血圧
・40歳未満で発症した高血圧
・未治療時150/100mmHg以上の高血圧
・副腎腫瘤を合併する場合
・若年での脳卒中発症を伴う場合
・睡眠時無呼吸症候群を合併する場合
これらに当てはまる場合、医師の判断により原発性アルドステロン症のスクリーニング検査を行うことがあります。
原発性アルドステロン症により、アルドステロンが必要量よりも多量に分泌され続けると、通常の高血圧症と比較して血圧が下がりにくく、通常の高血圧症による動脈硬化で起こるよりも、脳卒中や虚血性心疾患を起こすリスクが高まるなどの健康障害が起きることが知られています。
原発性アルドステロン症で通常の高血圧による動脈硬化症と比較して罹患リスクが高くなるのは次の病気が代表的です。
・脳卒中(脳梗塞、脳出血)
・心肥大
・心房細動
・冠動脈疾患
・心不全
続発性アルドステロン症は、副腎以外の異常に反応してアルドステロンが増えるタイプのアルドステロン症です。
腎動脈狭窄などで腎臓への血流が低下する場合や、心不全、肝硬変などの原因で、アルドステロンが過剰に分泌される状態を指します。

