●弁護士が指摘する「問題点」
原告らは2024年6月、東京地裁へ提訴した。
原告らは訴訟で「95.2%以上の確率で復旧ができ、まったくデータが取り出せないことはない」と誤認したと主張した。
山中弁護士は、今回の問題点として次の4点を挙げた。
(1)「95.2%」という復旧率が何を基準にした数字か不明確なこと
(2)ハードディスクに傷がある「物理障害」では復旧が極めて困難なのに、その事前診断結果を事後にしか伝えなかったこと
(3)見積書の有効期限が当日で契約を急がせるような形だったこと
(4)復旧できなくても解約できないクラウドサービスが抱き合わせで販売されていたこと
和解金額は守秘義務の対象とされたが、原告側によると、慰謝料含めて請求金額は全額認められたという。
●「泣き寝入りを減らしたい」統一ルールのない業界へ一石
原告側は、今回のケースに限らず、「業界に統一された価格基準やルールがない」(山中弁護士)点も問題視している。
トラブルが起きても泣き寝入りする利用者が少なくないといい、松田さんは「泣き寝入りする人が1人でも減るようにしたかった」と語った。
山中弁護士によると、訴訟提起後、同社のウェブサイトは「復旧率」の表示方法が変更されて、「完全復旧」と「一部復旧」を分けて示す形になったという。
なお、「復旧率95.2%」という数字をめぐっては、埼玉県の適格消費者団体が表示の使用停止などを企業に求め、今年2月に表示が変更された。

