桃花(ももか) / 市桃(いちもも)
「Ephemere」のキャバクラ嬢。水色のショートヘアでツリ目が特徴の妖艶な美女。2012年時点で25歳。前職は祇園の舞妓(市桃は当時の芸名)で、中卒で修行に入った後に高卒認定試験に合格している。店の嬢のリーダー格で新人教育も担い、店長の裏の顔も知りつつ清濁併せ呑む度量を持つ。口が悪く、多少のサドっ気があり自覚的にいじめを行う悪癖がある一方で、みいちゃんがシゲオから貰ったぬいぐるみに盗聴器や小型カメラが仕込まれているのを即座に見抜くなど、店の治安維持に貢献する頼もしい一面もある。 みいちゃんや新人のミュウを陰湿にいじめるなど性格に難はあるが、高卒認定を自力で合格する努力家であり、高い危機管理能力を持つ。いじわるな振る舞いの裏で、右も左も分からない新人に夜の世界で生きていくための術を厳しく教えたり、キャストの向き不向きをズバリと見抜くなど、単なる意地悪なキャラクターではない描かれ方をしている。
ココロ / 泉美(いずみ)
「Ephemere」のキャバクラ嬢。大手企業への就職を狙える有名大学の3年生で、清楚で理知的な女性。みいちゃんの入店当初は面白がって勉強を教えるなど試みたが、宿題をやってこない、あまりにも覚えが悪いみいちゃんの姿勢にすぐにさじをなげて断念する。さらに、みいちゃんが自身の顔が映った写真をSNSに無断掲載したことで、夜の仕事が親や大学にバレるリスクを全く理解していない彼女の異常性に直面し、「優しくして損した」と完全に愛想を尽かす。就活のスタートとともに「Ephemere」を長期で休むようになるが、休みというのは建前で、就活に成功したらそのまま辞めるつもりだった。就活中に街中で偶然みいちゃんと遭遇した際には、周囲に人がいるにもかかわらず「ココロちゃん」と源氏名で話しかけられたことに激怒した。 後に街中で偶然山田と再会し、みいちゃんと同居した影響でだらしなく「イモ臭く」なった山田の姿を見て、彼女も結局はみいちゃんと同じ「関わってはいけない人間」だと判断。その場で別れた後に連絡先をブロックし、あっさりと切り捨てた。 みいちゃんや山田という人間の異常性を瞬時に察知し、自らの人生を守るために冷徹にブロックして切り捨てるその姿は、一般社会の防衛本能を最もリアルに体現している。
ニナ(新名)
大卒・昼職経験者のキャバ嬢。一見しっかりとした印象の女性だが、ミスや忘れ物が多い他、後先やTPOを考えた発言が出来ず、客にセンシティブな話題を振るなどして店長からよく注意を受けていた。昼職も上手くいかず無断退職を繰り返していたほか、美容室の無断キャンセル(何ならド忘れしている)も平気で行っていた。家の中は散らかり放題であり、部屋の片付けが出来ない様子が窺える。山田はみいちゃんの異常性と比べれば、彼女の言動を常人の許容範囲内と捉えていた。しかしある時、忘れ物を怒られた直後にみいちゃんから「仲間」と言われたことにショックを受け、本人がすぐそばにいるにもかかわらず「私ってみいちゃんと同じくらいヤバいですかね?」と山田に尋ねてしまう。この絶望的なデリカシーのなさは、「本人のいる前でそういう聞き方は失礼」と山田からたしなめられる一幕もあった。本人も自分が平均より劣っている自覚はあるものの、明確な「病名」がつかない生きづらさや、見下していたみいちゃんの方が夜の世界で重宝されている現実に深く苦悩していく。作中でADHD等の明確な診断名は書かれていないが、現在であればそうした発達障害として認知されやすい特性が示唆されている。作中のナレーションにある「時は2012年、彼女の特性を語る言葉が世間に浸透するのはまだ少し先のお話」という一文が、彼女の悲劇の核心を突いている。
その後、髪がいわゆるプリン状態のまま放置していることを注意された際、生え際を隠せるようにと山田からブランド物のカチューシャを貸してもらう。しかし、度重なる店での叱責についに耐えられなくなり、直後に勤務1カ月で無断退職。結果的に山田のカチューシャを借りパクしたまま飛んでしまった。
単行本2巻の描き下ろし漫画では、36歳になった彼女が自身の特性に理解ある上司に恵まれ、自立して歩みを進める未来が描かれている。
真璃亞(まりあ)
新大久保の店でのみいちゃんの同僚。ロングヘアを白黒のツートーンカラーに染めて大きなリボンを付けており、私服はロリータ・ファッション。バンギャルで推し活のために休みを取ることがある。左腕に包帯を巻いて隠しているが、自傷行為の跡があるメンヘラ。推しバンドマンに貢いでいる繋がりバンギャであるらしく、推し対象も素行の良くないバンドマンである模様。仕事の辛さを忘れる方法としてみいちゃんに同様の自傷行為を教えている。金村の采配のせいで「みいちゃんはさせてくれた」という不適切行為を強要する客が自分のところに来ることに迷惑を被ったことを金村に抗議するも無視を決め込まれ、店を辞めた。
その後は山田と同じレンタルビデオ店でバイトをすることになるが、漫画家になりたいといいながら、作品を描こうとしない山田を妄想だけは一人前な無能と暗に見下している。
みいちゃんに自傷行為を教えるなど負の連鎖を生んだキャラであったが、金村の悪辣さに耐えかねて真っ先に逃げ出すなど、泥沼に沈みきらない生存本能を持っていた。後に山田を「無能」と見下す冷徹な視点も持ち、2020年代には過去をすべて忘れて一社会人として自立している。
昼職の世界で出会う人物
パン屋の店長
みいちゃんが山田の手によって金村の夜の店を強制的に無断退職させられた後、山田から「普通のアルバイトを探そう」と後押しを受けて面接に行ったパン屋の店長。温厚な性格の初老男性でみいちゃんが特性持ちだとは気付かないまま彼女を採用する。まずは洗い場の裏方スタッフとしてみいちゃんを働かせる。みいちゃんが可愛い制服が着たいと言っていたこと、山田さんとケンカした翌日に落ち込んでいたみいちゃんを励まそうと、「レジをやってみる?」とレジ担当を任せる。その結果、偶然来店したツバサ親子の一件でみいちゃんが夜の世界で働いていた事を知る。ツバサ親子含む当時の客が今後もみいちゃん目当てで来店するのではと危惧した矢先、みいちゃんの釣銭横領が発覚し、店に他の被害が出る前にみいちゃんをクビにする。みいちゃんに善悪とハッキリ教える、作中の数少ないまともな登場人物であった。 障害や過去に関係なく、ルール違反(釣銭横領)に対して毅然と解雇を言い渡したその姿勢は、読者から「作中で唯一、みいちゃんを対等な人間として扱い、社会の善悪の厳しさを教えた本物の大人」と評されている。
パン屋の女性店員
名前不明。レジ担当の若い女性店員。大きめのバストにタレ目で目元の泣きボクロが特徴の美人。自身が着用する可愛らしいデザインの制服に目をつけたみいちゃんが「あれが着たい」と店長にダダをこねる羽目になった。

