●「録音反訳の正確性を検証できない」録音禁止を問題視する声も
ただし、法廷録音の禁止には以前から批判もある。
大阪では2022年、刑事事件の国選弁護人が法廷録音の許可を裁判所に求めたものの、認められず、その後に録音を実施したとして裁判所から解任された。
この弁護人だった中道一政弁護士は、過去の弁護士ドットコムニュースの取材に対して、訴訟活動の正確な記録のためには録音が不可欠だとうったえていた。
法廷でのやり取りは、裁判所が文字起こしをして記録化する。しかし、その内容に誤りやニュアンスの違いがあったとしても、録音データがなければ検証は難しい。また、その記録が当事者にすぐ開示されるわけでもない。
中道弁護士は「録音の開示すら認められないにもかかわらず弁護人が法廷録音をできないということであれば、弁護人としてはもはや、録音反訳の正確性を検証できない」と指摘していた。

●「国民の信頼を確保するには、できるだけ公開すべき」
こうした録音禁止のルールや、それをめぐる議論について、レペタさんはどう考えているのか。
「最も重要なのは憲法21条『表現の自由』です。そして82条『裁判の公開』です」
そう切り出した。
「1989年の最高裁判決は、憲法82条の趣旨が、裁判を一般に公開して公正におこなわれることを制度として保障し、国民の信頼を確保しようとすることにあると判断しました。本当に国民の信頼を確保することが目的であれば、裁判はできるだけ公開すべきです」
メモ、録音、写真や動画の撮影、生中継──。
法廷で何が起きたのかを知る方法はいくつも考えられるが、レペタさんが特に重視するのは「裁判記録へのアクセス」だという。

