脳波検査でわかる主な病気と異常の種類
脳波検査では、脳の電気的活動のパターンから、てんかんをはじめとする発作性疾患や意識障害など多様な脳疾患を診断できます。異常な波形や周波数の変化を詳しく調べることにより、脳機能の異常の種類や重症度を判定し、治療計画を立てるうえで欠かせません。
脳波検査で分かる病気は何?
脳波検査で診断できる代表的な疾患は、てんかんなどの発作性意識障害です。その他にも脳腫瘍、脳梗塞、脳出血などの脳血管障害、頭部外傷による脳挫傷、認知症(アルツハイマー型など)、脳炎などの中枢神経系の異常が挙げられます。さらにナルコレプシーなどの睡眠障害、肝性昏睡や薬物中毒による脳症、クロイツフェルト・ヤコブ病などの神経変性疾患でも特徴的な脳波異常が検出されるため、診断の重要な手がかりとなります。脳死判定においても脳波検査は必須の検査項目とされています。
病気以外にどんな異常が脳波検査で見つけられるか
脳波検査は、明確な病名がつかない場合でも脳の機能的な状態を評価できます。覚醒しているのに徐波(ゆっくりした波)が出現する場合は脳機能の低下を示唆し、睡眠の質や深さの異常も検出可能です。また、けいれんや一過性の意識消失、記憶障害などの症状が真のてんかん発作によるものか、精神疾患や心因性の症状なのかを鑑別する際にも大切です。さらに、薬物や代謝異常による軽度の意識障害など、症状に現れない潜在的な脳機能の変化も捉えられます。
子どもが脳波検査を受ける目的と配慮
子どもの脳波検査は、てんかんや発達障害の診断、熱性けいれんの評価などを目的として行われます。小児では成人と異なり年齢による脳波の正常パターンが変化するため、専門的な判読が必要とされます。検査中は動かないよう保護者の協力や鎮静剤の使用など、子どもの安全性を重視し快適さに配慮した対応が求められます。
子どものてんかんや発達障害の診断
小児のてんかんは3歳以下の発症が多く、脳波検査によって特徴的な異常波の検出で診断します。てんかん患児の約20〜30%は自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などの神経発達症を併存しており、脳波検査は発作症状と発達障害による行動異常を鑑別するうえでも重要です。特に前頭葉てんかんや側頭葉てんかんでは認知機能異常や行動異常が高頻度で認められるため、脳波検査結果と発達評価を組み合わせた総合的な診断が必要となります。
脳波検査を怖がる子どもへの配慮と睡眠薬の使用
小児の脳波検査では、乳幼児や検査に不安を示す子どもに対して、保護者の添い寝や普段使用しているぬいぐるみの持参などで緊張を和らげる工夫が行われます。自然睡眠が得られない場合は、トリクロリールシロップやエスクレ坐剤などの睡眠導入剤を使用しますが、呼吸循環抑制などのリスクがあるため、医師の説明を受けたうえで慎重に投与されます。

