費用が増えるケース|症状が長引く・合併症がある場合
逆流性食道炎は適切な治療を続けることで多くの場合コントロールできますが、症状が繰り返したり合併症が生じたりすると費用が増加します。代表的な状況と追加費用の目安は以下のとおりです。
■ バレット食道の定期内視鏡(年1〜2回)・追加でかかる費用目安(3割負担):約4,000〜12,000円程度(1回)
■ 逆流性食道炎に伴う咽頭・喉頭炎(耳鼻科追加受診)
・追加でかかる費用目安(3割負担):1,000〜3,000円程度(1回)
■ ピロリ菌除菌治療(薬代+検査費)
・追加でかかる費用目安(3割負担):約2,000〜3,000円程度(1次除菌のみ)約4,000〜6,000円程度(2次除菌まで実施)
※上記はあくまで目安です。受診する医療機関や検査内容・投薬内容により異なります。
バレット食道と診断された場合は、年に1〜2回の内視鏡検査が推奨されることがあり、年間で4,000〜20,000円程度の検査費用が継続的にかかります。放置すると食道がんへ進展するリスクがあるため、費用がかかっても定期検査を継続することが大切です。また、逆流性食道炎が慢性化すると「夜間の胸やけで眠れない」「食事が楽しめない」など日常生活への影響も大きくなります。早期の受診と継続的な管理が、長期的にみて医療費の抑制につながります。
知っておきたい公的制度
■ 高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)
同じ月に医療機関や薬局で支払った医療費が、一定の金額(自己負担限度額)を超えた場合に、超えた分が後から払い戻される制度です。たとえば、70歳未満で一般的な所得(月収の目安:約28万〜50万円)の方の上限額は「80,100円+(医療費−267,000円)×1%」となります。医療費が10,000円の場合は3割負担の3,000円がそのまま自己負担ですが、胃カメラと薬代が同じ月に重なるなど費用が集中した月に効果を発揮します。
事前に「限度額適用認定証」を取得しておくと、医療機関の窓口での支払いを最初から限度額にとどめることができます。申請窓口は、会社員の方は勤務先の健康保険組合または全国健康保険協会(協会けんぽ)、自営業・無職の方は居住地の市区町村窓口です。
また、マイナンバーカード(マイナ保険証)でオンライン資格確認をすると自動で自己負担限度額が適用されるため、高額療養費の申請不要や、窓口での支払いが自己負担限度額までに抑えられるというメリットがあります。
■ 医療費控除(いりょうひこうじょ)
1年間(1月〜12月)に自分や家族のために支払った医療費の合計が10万円を超えた場合に、超えた分を所得から差し引いて税金の還付を受けられる制度です。通院費・薬代・病院までの交通費(電車・バスなど公共交通機関)がすべて対象になります。領収書を1年分まとめておき、確定申告の時期(翌年2〜3月)に申請します。
■ セルフメディケーション税制
特定の健康診断や予防接種を受けた方が、薬局などで購入できる「スイッチOTC医薬品」の購入費が年間12,000円を超えた場合に、超えた分を所得から差し引ける制度です。逆流性食道炎の市販薬に含まれるH2ブロッカーや一部の制酸剤が対象になるものもあります。確定申告で申請しますが、医療費控除との重複利用はできません。どちらが有利になるかは年間の支出状況によって異なるため、確認したうえで選択しましょう。

