睡眠時間は取れていても、脳が休めていない子が意外と多い
「寝ている」と「休めている」は別のこと
子どもは夜きちんと寝ている。睡眠時間もそれなりに確保できている。そう感じている家庭でも、実際には脳が十分に回復できていません。睡眠は、時間さえ取れていればよいというものではないからです。
眠っている時間が十分にあっても、脳が深く休めていない状態が続くと、脳の疲労回復は追いつきにくくなります。朝は起きられるし、学校にも行けている。それでも、日中に集中が続かなかったり、切り替えに時間がかかったりします。こうした様子が重なるとき、睡眠の「量」だけでなく「質」に目を向ける必要が出てきます。
睡眠の質を下げやすい要因のひとつが、生活リズムの乱れです。就寝時刻や起床時刻が日によって大きくズレていると、脳はバランスの調整に取りかかることになり、十分に休めなくなります。とくに、平日と休日でリズムが大きく変わると、回復のペースが整いにくくなる傾向があります。
もうひとつ、見逃されやすいのが家庭の空気です。家のなかに緊張感や慌ただしさが漂っていると、子どもは無意識のうちに気を張ったまま過ごします。その状態で布団に入っても、脳がすぐに休息モードに切り替わらないことがあるのです。
すると、「寝ているのに疲れが抜けない」という状態が起こりやすくなります。朝から元気が出にくく、一日を通してエネルギー不足となり、その結果、学校から帰ってくるころにはすでにぐったりとしてしまうのです。
生活リズムや家の空気によって、同じ睡眠時間でも脳の回復の仕方は大きく変わります。とはいえ、子ども自身が「眠れていない」と自覚することは、あまりありません。子どもの脳を回復させるうえで、どれくらい寝たかという時間だけでなく、脳が安心して休める環境が整っているかどうかも大切なポイントです。
