帰宅後が本来の「回復の時間」になっていない
一番疲れている時間にやることを詰め込んでいないか
学校から帰ったあとの時間は、本来、その日に使った力を回復させるための時間です。体を動かし、頭を使い、周囲に気を配りながら過ごしてきた一日をいったんゆるめ、ここで体と脳が回復に向かえるかどうかがその日の終わり方を左右します。
ところが最近は、この帰宅後の時間が子どもにとってもっとも忙しい時間になっている家庭が増えています。家に着くとすぐに宿題に取りかかり、終わったら習い事へと向かい、それが終われば夕食や入浴、明日の準備と、次々に予定が続いていきます。少し空いた時間には動画を見たりゲームをしたりすることもあります。
一見すると、やるべきことをきちんとこなし、遊びの時間も確保されているため、無理はしていないように思えます。しかし実際には、体も脳も、回復に入る一歩手前で止まってしまっているケースが多く見られます。活動の内容は移り変わっていても、緊張や刺激が途切れず、ずっと動き続けている状態なのです。
とくに動画やゲームは、休んでいるように見えやすいため注意が必要です。本人は気分転換をしているつもりでも、脳は強い刺激を受けています。映像から次々に入ってくる情報や反応を求められる展開は、脳を働かせ続ける要因となりうるものです。座って静かに過ごしていても、内側では切り替えが止まらず、休んでいる実感が得られにくくなります。
大切なのは、帰宅後の限られた時間でどれだけ効率的に物事をこなしたかではありません。やるべきことを早く終わらせることよりも、回復するためのゆとりが、帰宅後の時間に用意されているかどうかが重要です。家に帰ってすぐに何かに取り組みはじめるのではなく、荷物を置いて少しだけ横になったり、ソファでくつろいだりする何気ない時間が、脳を健康な状態へと戻していきます。
