心臓病の予防や治療では、薬や検査だけでなく、毎日の食事も大切です。特に、塩分や脂質、糖質、体重管理は、血圧や血糖、コレステロールに関わります。
ただし、心臓病といっても、狭心症や心筋梗塞、心不全、不整脈など病気の種類はさまざまです。腎臓病や糖尿病を合併している場合は、食事の注意点が変わることもあります。
この記事は、心臓病の予防と治療に役立つ食事の基本を解説します。

監修医師:
居倉 宏樹(医師)
は呼吸器内科、アレルギー、感染症、一般内科。日本呼吸器学会 呼吸器専門医、日本内科学会認定内科医、日本内科学会 総合内科専門医・指導医、肺がんCT検診認定医師。
心臓病と食事の関係

心臓病の食事では、血圧や血糖、脂質、体重を整えることが重要です。ここでは、食事と心臓病の関係を解説します。
心臓病とは
心臓病とは、心臓の構造や働きに異常が起こる病気の総称です。代表的なものには、狭心症や心筋梗塞、心不全、不整脈、弁膜症などがあります。
特に、動脈硬化が関係する心臓病は、高血圧や脂質異常症、糖尿病、肥満、喫煙などがリスクになります。食事は、これらのリスク因子と深く関係しています。
食事が心臓病に与える影響
塩分の摂りすぎは血圧上昇につながりやすく、高血圧は心臓病や脳卒中のリスクです。日本では食塩の過剰摂取が重要な栄養課題の一つとされており、日常的な減塩が大切です。
また、脂質の摂り方はLDLコレステロールや中性脂肪に関係します。糖質の摂りすぎや食べ方の偏りは、体重増加や血糖上昇につながることがあります。
食事療法の基本
心臓病の食事療法は、極端な食事制限よりも、続けやすい食習慣を整えることが大切です。
基本は、主食と主菜、副菜をそろえ、塩分を控え、脂質の質に注意し、食べすぎを避けることです。減塩や低脂肪、適切なカロリー、栄養バランス、食物繊維は、循環器病の食事療法で共通して意識したいポイントです。
心臓病予防のための食事のポイント

心臓病予防では、毎日の食事を少しずつ整えることが大切です。ここでは、特に意識したいポイントを解説します。
減塩を心がける
減塩は、心臓病予防の基本です。塩分を摂りすぎると血圧が上がりやすくなり、心臓や血管に負担がかかります。
減塩の工夫には、次のようなものがあります。
汁物は1日1杯までを目安にする
麺類の汁は飲み干さない
漬物、練り物、加工肉を食べすぎない
しょうゆやソースはかけずにつける
酢、香辛料、だし、香味野菜を活用する
減塩食品を上手に使う
これらを一度に取り入れるのは難しくても、一つずつ取り入れることで少しずつ減塩することができます。
脂質の質に注意する
脂質は、量だけでなく質も大切です。肉の脂身、バター、生クリーム、揚げ物、菓子類などが多くなると、摂取エネルギーや飽和脂肪酸が増えやすくなります。
一方で、魚、大豆製品、ナッツ類、オリーブ油などを上手に取り入れると、脂質のバランスを整えやすくなります。ただし、ナッツや油は健康的な食品でも高カロリーなので、大量に摂ることは控えましょう。
糖質の摂り方を見直す
糖質は身体に必要な栄養素ですが、摂りすぎると体重増加や血糖上昇につながることがあります。白米やパン、麺類、菓子、甘い飲み物を多く摂っている場合は、量や頻度を見直します。
主食を抜く必要はありませんが、食べすぎを避け、野菜やたんぱく質も一緒に摂ることが大切です。
糖尿病を合併している方は、主治医や管理栄養士の指導に合わせて調整しましょう。

