生活リズムを整えることは「完璧な生活を目指す」ことではない。予定通り動けない日に思い出してほしいこと

大枠だけ整っていればいい

生活リズムは、大枠が保たれていればそれで十分です。多少時間が前後したり、急な予定が入ったりしても、大きな問題にはなりません。ところが、すべてをきちんと守ろうと躍起になると、本来は体と心を安定させるための習慣が、達成すべき目標へとすり替わります。「今日は予定を全部こなせた」「時間通りに進んだ」という評価が前に出れば、少しの乱れが不安材料になります。守れなかった日が失敗のように感じられ、余計な落ち込みが生まれてしまうのです。

そこで、生活を整えすぎないためには、「絶対に守るもの」と「ズレてもよいもの」を分けて考えることが役に立ちます。就寝時刻と起床時刻の目安、食事のリズムなど、土台に関わる部分だけを意識し、それ以外は日ごとの体調や気分に合わせて調整します。

たとえば、予定が押しても少し休む時間を優先する。予定のない日をあえてつくる。宿題を先にするかお風呂に先に入るか、順番はその日の様子に任せる。そうしたゆとりを持たせることで、生活は呼吸を取り戻します。整っているけれど、締めつけられてはいない状態です。

また、完璧な生活を目指し続けると、親自身の余裕も削られていってしまいます。計画通りに進まないことにイラ立ちが生まれれば、その空気は家庭全体に広がります。子どもは敏感にそれを感じ取り、「うまくやらなければ」という意識を強めるかもしれません。

生活リズムは、日常を縛るための鎖ではなく、支えるための骨組みです。この骨組みさえ保たれていれば、細部が多少動いても崩れてしまうことはありません。イレギュラーなことがあっても受け入れられる柔軟さがあるほうが、疲れはたまりにくく、回復したあともよい状態を保ちやすくなります。

組み立てた予定通りに進む完璧な一日を目指すのではなく、無理のない健康的な日々を続けさせていくことを意識しましょう。

予定はあくまで目安にする

生活リズムは大切ですが、すべてをきちんと守ろうとすると息苦しくなります。土台を意識しながら、その日の様子に合わせて調整できるゆとりが大切です。

イラスト:しゅんぶん

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子ども脳疲労

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※本記事は、『子ども脳疲労』<著:成田 奈緒子/日本文芸社>より抜粋・再編集して作成しました。

成田奈緒子成田奈緒子小児科医・医学博士。公認心理師。子育て科学アクシス代表・文教大学教育学部教授。 1987年神戸大学卒業後、米国セントルイスワシントン大学医学部や筑波大学基礎医学系で分子生物学・発生学・解剖学・脳科学の研究を行う。2005年より現職。臨床医、研究者としての活動も続けながら、医療、心理、教育、福祉を融合した新しい子育て理論を展開している。著書に『「発達障害」と間違われる子どもたち』(青春出版社)、『高学歴親という病』(講談社)、『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』(共著、講談社)、『子どもにいいこと大全』(主婦の友社)など多数。近著に『その「一言」が子どもの脳をダメにする』(共著、SBクリエイティブ)がある。→記事一覧へ
配信元: マイナビ子育て

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