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「崩れたら家が潰れる」都心屈指の住宅街で何が…東京地裁が工事停止命令を出しても“危険”が残るワケ

「崩れたら家が潰れる」都心屈指の住宅街で何が…東京地裁が工事停止命令を出しても“危険”が残るワケ

●事業者「開発行為ではない」と説明

近隣住民の間では「マンション造成のために盛り土を築くのは、開発行為にあたるのではないか」「危ない崖なのに擁壁がないままにしておくのは、盛土規制法に違反しているのではないか」という疑問が広がった。

しかし、2025年6月の住民説明会で、デベロッパー側は「(今回の工事は)開発行為ではない」と説明した。

新たな建築物のために土地の形状を変更する「開発行為」によってマンションを建てる場合、別の道路に繋がるまでの道路の幅は、6メートル以上必要とされている。

しかし、山手通りと予定地をつなぐ道路幅は、4メートルに満たない箇所もある。ここを広げない限り開発要件を満たすことはできないが、他者の土地も含まれるためおよそ現実的ではない。

さらに2022年に成立し、2023年に施行された盛土規制法では、宅地の建築現場(建物がある部分を除く)に高さ2メートル以上の崖を生じさせる盛り土や切土には都道府県知事(特別区の場合は区長)の許可が必要となっている。

2025年7月、Aさんら近隣住民が渋谷区に問い合わせたところ、区は「開発行為に該当するかは確認中」と回答した一方、デベロッパー側は従来の主張を変えなかった。

その後、情報公開請求によって、デベロッパー側が盛土規制法に基づく許可申請を出したのは2025年8月、渋谷区が許可したのは同年11月だったことが判明した。

「工事が始まって半年以上経って、ようやく申請が出されていました。それまでは区も『許可は必要ない』として、危険な工事を止めてほしいという住民の声に耳を貸しませんでした。そこで私たちは2025年10月、工事の中止を求める裁判を起こし、仮処分命令を申し立てました」

●東京地裁、盛土規制法違反を理由に工事停止を義務付け

住民側は、高さのある盛り土や切土によって土地の形を変えることや、振動・騒音・土砂崩れの危険性などから、今回の工事は都市計画法上の開発行為にあたり、盛土規制法に違反すると主張した。

東京地裁は今年3月31日、盛土規制法の許可を受けないまま工事を進めたことは同法12条1項に違反すると判断した。

さらに工事継続の危険性を認定し、本来は工事停止命令を出すべき渋谷区長が監督処分をおこなわなかったことについて「裁量権の逸脱または濫用にあたる」として、区に対してデベロッパーへ工事停止命令を発するよう義務付ける仮処分決定を出した。

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