前立腺がんの発症リスクが高い人の「2つの特徴」
編集部
前立腺がんになりやすい人の特徴はあるのでしょうか?
舛森先生
大きく2つあります。一つは遺伝(家族歴)です。ご家族(お父さんや兄弟など)に前立腺がんを発症した人が1人いる場合はリスクが約2倍、複数人いる場合は4倍以上になると言われています。
また、肥満や「油の摂りすぎ」もリスクを高めます。近年、日本人の前立腺がん罹患率が上昇している要因の一つに「食の欧米化(肉食)」が挙げられています。肉に含まれる飽和脂肪酸が男性ホルモンを上昇させることで、発症リスクが上がっているのではないかと推察されています。
「尿が出にくい」「トイレが近い」「残尿感がある」といった症状があり、ご家族に前立腺がんの病歴がある人は、迷わず医療機関を受診することをお勧めします。
発症リスクを低下させる方法に「週5回以上の射精」?
編集部
逆に、リスクを下げる方法はないのでしょうか?
舛森先生
興味深いデータとして、40代男性を対象にしたハーバード大学の大規模前向きコホート研究について説明します。約3万2000人を約18年追跡したこの研究では、「月に21回以上(週5回以上)射精する人は、前立腺がんのリスクが低下する」ということがわかっています(Rider JR et al. Eur Urol. 2016;70:974-982)。
研究内容は2016年にEuropean Urology誌に掲載され、その後のレビューでも引き続き引用されています。
ただし、観察研究なので「射精回数を増やせば直接リスクが下がる」と断言できるわけではなく、健康的な生活全般の代理指標である可能性も指摘されています。可能な範囲で取り入れる程度で十分でしょう。

