「γ-GTP」の異常で気をつけたい病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、「γ-GTP」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
脂肪肝
脂肪肝は肝臓に脂肪が蓄積される病気です。主に普段の生活習慣(食事や運動不足、飲酒など)によって起こります。単に「脂肪がついているだけ」と思う人もいますが、これが続くと肝臓に慢性の炎症を起こし、最終的には肝硬変となることもあります。早めに対処すれば元の肝臓に戻りますが、肝硬変まで進んでしまうと戻りません。特に血液検査の数値として異常が出てきてしまっている場合はある程度症状が進んでいると判断していいでしょう。たかが脂肪と侮らずに早めの対処を行うことが重要です。基本的に食事内容の改善・運動習慣によって治療を行います。バランスの取れた食事に切り替え、毎日30分〜1時間程度の運動(ウォーキングなど)を行うことを心がけましょう。内科、消化器内科を受診するようにしましょう。
アルコール性肝障害
アルコール性肝障害はアルコールを飲み続けることによっておこる病気です。アルコールを解毒するのは肝臓です。アルコールを多く飲み続けた場合、肝臓への負担が大きくなり、それに伴い肝臓へのダメージが大きくなってきます。それでもアルコールを飲み続けた場合、肝臓に炎症を起こしたり、最終的には肝硬変となってしまいます。肝硬変になった場合は治りません。この病気の治療は禁酒です。肝酵素が上がってきただけなど早い段階なら禁酒をすることによって数値は速やかに下がるでしょう。ただし、「下がったから大丈夫」とまた量も減らさず飲酒を繰り返してしまうと、徐々に病状が進んでしまいます。特に肝炎・肝硬変まで進んでしまった場合は飲酒によりより状態が悪くなってしまうので、「これから1滴もお酒を飲まない」という覚悟が必要になります。
慢性肝炎
慢性肝炎は肝臓に炎症が起こり、6か月以上肝機能障害が続く状態です。原因の多くはB型肝炎・C型肝炎などのウイルス感染ですが、その他にもアルコールによる肝炎・自己免疫性など様々な原因があります。肝機能障害を指摘された場合、まずは血液検査を行い、ウイルス・抗体などを含め何が原因かを調べていきます。それと同時に腹部超音波検査などを行い、肝臓の状態を確認することが多いでしょう。原因の治療を行っていきますが、例えばウイルスであればそのウイルスに対する治療、アルコールなら禁酒、自己免疫性ならステロイドを含めた投薬治療などです。この慢性肝炎は自覚症状がないことが多く、検診やほかの病気で採血をしたらたまたま指摘されたなどで見つかることが多いでしょう。少なくとも肝機能障害が指摘された場合は放置するのではなく、一度内科・消化器内科を受診して検査を受けておくことが重要です。
肝硬変
肝硬変は肝臓に慢性的に炎症が起こることで、肝臓の細胞が障害・再生を繰り返して徐々に硬くなる(線維化)ことによって発症します。肝硬変となってしまうと、元の状態に戻ることはほぼありません。肝臓の役割は解毒・タンパク質の産生など生命の維持に重要なものですが、肝硬変の場合は肝臓の機能が十分に維持できなくなってしまいます。ある程度の肝細胞が機能している状態であれば何とかその機能を維持できます(代償期)。しかしながら一定のラインを超えてくると肝臓はその機能を十分に果たせなくなり、徐々に自覚症状が現れてきます。はじめはだるさなどから始まり、黄疸・全身のむくみ・腹水など様々な症状が現れます。食道静脈瘤の破裂による大量出血・肝性脳症・肝臓がんなど様々な状態を引き起こします。肝硬変となってしまった場合は「これ以上病状が進まないようにする治療(栄養療法・投薬など)」やそもそもの原因(ウイルス・アルコールなど)に対する治療を行います。
胆道系疾患
胆管(肝臓からの消化液を流す管)などに何らかのダメージが起こる、何らかの原因で管自体が詰まってしまうなどが起こった場合、肝酵素や胆道系酵素も上昇します。例えば、胆石が胆のうから連続している管に落ち込んだ場合(総胆管結石)や、胆管がん・膵がんなどで胆管がふさがった場合などは胆管を通って消化液が腸に流れることができなくなります。そうなると胆管に消化液がうっ滞し、黄疸や肝機能障害を引き起こします。うっ滞している消化液には細菌が感染することもあり(胆管炎)、その場合は重症感染症となることもあります。黄疸(白目の部分が徐々に黄色くなる・皮膚が黄色くなる)が出現している、肝機能だけではなく胆道系酵素の異常を指摘された場合は消化器内科を受診しましょう。特に強い腹痛を繰り返す場合や発熱している場合などは重症化のリスクがあり、すぐに病院を受診しましょう。
飲み物と合わせて実践したい!γ-GTPを下げる生活習慣
γ-GTPを下げる生活習慣、というよりは肝臓に対してよい生活習慣となります。まず飲酒している人は禁酒・節酒を心がけましょう。アルコールはγ-GTPを上げますが、それ以外にも肝臓に負担をかけています。アルコールで肝障害が出ている場合は基本禁酒です。数週間禁酒すると数値もかなり良くなることが多いでしょう。他、原因として挙げられるのは脂肪肝などです。これに対してはまずは高カロリーのものを控える、例えばポテトチップスなどのスナック菓子・高カロリーの甘いお菓子・ラーメン・清涼飲料水などです。食事はバランスの取れた食事に切り替えましょう。また、もう一つ重要なのは運動です。毎日30分〜1時間でもよいので、ウォーキングなどの運動を取り入れるようにしましょう。体重が増えている場合は適切な減量も肝機能改善につながります。水分補給は清涼飲料水などではなく、水や麦茶などで行いましょう。ただし、これらはあくまでアルコールや脂肪肝など生活習慣に伴う病気に対する対応策です。ウイルスによる肝炎や胆道系疾患など何らかの病気が原因となってγ-GTPや肝酵素が上昇している場合もあります。自己判断はせず、一度内科・消化器内科を受診し、原因を特定、それに応じた治療を受けるようにしましょう。

