●Aさん「恐怖で体が固まった」
これに対しAさんの証言は、大きく異なる。
Aさんは、「暗い河川敷のベンチで『彼女になってくれないか』と何度も迫られ、何度断っても繰り返されたため、『えー』と曖昧に返事をしただけでした」と説明した。
その直後、突然キスをされ、胸を触られたうえ、口腔性交を強要されたと証言。
「頭が真っ白になり、恐怖で体が固まってしまいました」と当時の状況を振り返った。
検察側は、さらに女性器への指の挿入もあったと主張しているが、被告人はこれを否定している。
●「恋人にも頼んだことはない」
検察官から「初対面の相手と性的な行為をした理由」を問われると、被告人はこう答えた。
「『はい』と言ってくれたので、嫌ではないと思いました。『こんなことをして大丈夫かな』とは少し思いましたが、部屋ではないので最後までするつもりはありませんでした」
また、Aさんが「口腔性交を強要された」と証言していることについては、
「していません。恋人にもお願いしたことはありませんし、そもそもしない主義です」と改めて否定した。
●被告人は約10日後に逮捕された
性的な行為の後、被告人はLINE交換を持ちかけた。
うまく登録できなかったため、2人は電話番号を交換した。
被告人は「彼女になってくれてありがとう」と声をかけたという。
一方、Aさんは、「恐怖の時間が終わった直後で、これ以上危害を加えられないよう要求に従うしかなかった」と説明した。
その後、2人は最寄り駅まで一緒に向かった。
途中、Aさんは母親へ電話をかけるふりをして110番通報したが、電話に出たのが男性警察官だったことや、被告人がすぐ近くにいたことから詳しい事情は話せなかったという。
駅で別れた後、再び110番し、「勝手に胸を触られた」などと被害を申告した。
被告人は約10日後に逮捕された。
●「私は真実を語りました」
逮捕後、被告人はAさんが16歳だったと知らされると、「違うだろう」と否認したという。
被告人には、強制わいせつや強姦、強姦未遂などの前科があり、この事件の数カ月前に刑期を終えたばかりだった。
裁判長から「自分の感覚が一般社会とずれていると思ったことはありますか」と尋ねられると、被告人はこう答えた。
「30代、40代のころはありました。50代になってからは気をつけないといけないと思っていました。でも、このような結果になった以上、自分の行動は軽率だったと思います」
一方で、最後まで「私は真実を語りました。どうか賢明な判断をお願いします」と無罪をうったえ続けた。
判決は8月に言い渡される。

