トマトの湯剥きが不要の裏ワザも! 忙しい共働き家庭を救う「自宅でできる簡単・急速冷凍術」

②下ごしらえは「すぐに使える形にカット」

ーーほうれん草からうかがいたいのですが、冷凍前にどんな下ごしらえをすればいいですか?

笹嶺 まずは全体的に水洗いして、根本の土を落とし、ざく切りにします。

笹嶺 そしてキッチンペーパー等で水気をしっかり拭き取ります。水気がなくなったら、フリーザーバッグにまんべんなく入れて、平らにして空気を抜きます。

笹嶺 この状態で冷凍すると、炒め物で使ったりおみそ汁に入れる際、バラバラと使いたい分だけ使うことができます。

ーー一方でブロッコリーは、自宅で冷凍したものを解凍すると柔らかすぎておいしくなくなってしまうんですが、なにか対策はありますか?

笹嶺 ブロッコリーは茹でるとつぼみのなかに水が入ってしまい、つぼみに入った水が冷凍され、解凍したときにべチャっと水っぽくなるためです。ご家庭で水気をしっかり切ることが難しい場合は、生のまま冷凍するのも一つの方法です。

玉ねぎは、冷凍すると火が通りやすくなります。「シャキシャキしていて辛味があって苦手」というお子さまもいると思いますが、冷凍すると辛味や硬さがやわらぎ、すごく食べやすくなるんです。

ーーいままで玉ねぎを冷凍したことはなかったです。丸ごと凍らせるわけではないですよね?

笹嶺 うちは薄切りにして冷凍していますが、くし切り、みじん切りなど、ご自宅でよく使う切り方で下ごしらえしてみてください。もちろん丸ごとでもいいですよ。コンソメと一緒に煮ると「丸ごと玉ねぎスープ」を作れます。フレッシュな玉ねぎを丸ごと煮込むと時間がかかりますが、冷凍玉ねぎは柔らかくなるのが早く時短になります。

冷凍玉ねぎを使ってカレーづくり! 【上段】子どもが食べやすい大きさにカットした冷凍玉ねぎを、解凍せずにそのまま炒める【中段】冷凍ほうれん草もイン! 【下段】完成したカレーは玉ねぎがとろとろで、子どもがいつもより早く完食!

笹嶺 同様に大根も用途により下ごしらえがさまざまです。うちはおみそ汁に入れることが多いので、主にいちょう切りにしていますが、冬場に旬のいい大根が手に入ったときのオススメは、輪切りです。

ーーさきほどの玉ねぎと同じように、煮込みやすいからでしょうか?

笹嶺 そうですね。1本買ってきても、すぐには食べきれないじゃないですか。食べきれない部分は輪切りで冷凍して、後日のおでんの具材にする。生鮮の大根と冷凍大根では、味の染み込み方や食感が全然違うんです。
ほかにも、きゅうりは水分がすごく多く含まれていますよね。冷凍すると食感が変わるので、それを逆手に取り、そのまま塩もみして食べるとおいしくいただけるんです。

冷凍きゅうりを使えば、冷凍ならではの食感を生かしたきゅうりの塩もみが、手早くできあがる

笹嶺 トマトも水分が多いですが、冷凍するとちょっと膨らむんですよね。そんな冷凍トマトに流水をかけると、皮がぺろんと剥けるんです。

ーーなるほど! 湯剥きいらずということですね。

笹嶺 はい、便利なんですよ。

丸ごと冷凍したトマトに流水をかけながら皮を剥くと……驚くほどペロン! と簡単に剥くことができる

ーーきゅうりやトマトは冷凍に向かないという認識でいましたが、そうではないんですね。

笹嶺 「向き・不向き」で考えるのではなく、「冷凍した状態に合った調理方法」を選ぶことが重要です。例えばごぼうなどは繊維が多いのでそのまま冷凍することは不向きかもしれません。でも、きんぴらごぼうのようなメニューに調理してから冷凍すると、食感が変わらずに食べられます。

ーーレタスなどの水分多めの葉物はいかがでしょう?

笹嶺 ほうれん草のように食べやすい大きさに下ごしらえして冷凍できますが、おっしゃるとおり水分量が多いので、どうしても解凍の過程で水分が多く出がちです。同時に旨みも流れ出てしまいます。だから私は、凍ったままスープに入れたりチャーハンの具材にしますね。
キャベツも同様に、冷凍のまま炒め料理に使います。水分が出てきたら片栗粉で止めてうま煮にすると、流れ出た旨みをそのまま味わうことができます。
とにかく、そのまま使える状態に下ごしらえをして冷凍して、冷凍のまま調理するのが大原則でありベストだと思います。
一度冷凍した野菜は、生鮮には戻りません。ならば、冷凍したからこそのおいしく・便利な食べ方をしよう、というアイデアなんですよね。

ーーいろいろと目からウロコがありましたが、これまで消費者に驚かれた意外な食材はありますか?

笹嶺 「とうもろこしは皮付きのまま冷凍してください」とお話しすると驚かれます。皮付きの理由は、風味をそのまま閉じ込めた状態にできるからです。調理も、皮付きのままレンジで加熱するのがオススメです。

笹嶺 あとは、こんにゃくですね。冷凍こんにゃくで生姜焼きを作ると、お肉に近い食感になっておいしいんです。

ーーそれは驚きますね! こんにゃくを冷凍しようという発想がありませんでした。

笹嶺 ほかにも、みなさまが感心してくださるのがもやしです。安いのでまとめ買いしがちですが、もやしって足が早いじゃないですか。気づくと冷蔵庫のなかで「もう食べられないな」という状態になっている。だから食べきれないと判断したら、早めに冷凍してみてください。
洗わずに食べられるもやしは、そのまま冷凍することができますが、もやし特有の臭みが気になる場合は、一度洗ってから冷凍するとおいしく食べられます。もやしも水分が多い野菜なので、冷凍すると少ししんなりします。そのため、シャキシャキ感を活かすよりは、スープやナムルにするのが向いています。

③家庭用冷凍庫でもできる「急速冷凍」に近づけるコツ

ーー自家製冷凍野菜と市販の冷凍野菜の大きな違いを教えてください。

笹嶺 最大の違いは冷凍スピードです。食品メーカーは一気に-30℃、-40℃で凍らせます。一方、ホームフリージングで家庭用冷凍庫を使う場合は、だいたい-18℃~-20℃くらいでゆっくり凍っていきます。

このグラフの「最大氷結晶生成温度帯」(グラフの青い帯の部分)、つまり「氷結晶が大きくなる温度帯」に留まっている時間が長ければ長いほど、ベチャベチャになる原因が生まれるんです。

笹嶺 このとき何が起きているのかというと、この時間が長ければ長いほど(赤い破線)、水がゆっくり凍っていくことでどんどん食品が抱えている水分が膨らんでいき、中の組織を壊してしまうんです。

ですが、食品メーカーの急速凍結(緑の線)は、この時間を素早く通りすぎるんです。そうすると氷結晶が大きくなる前に追加するので、食品自体の組織をできるだけ壊さない状態で食品を凍らせることができるんですね。

ですので、自家製冷凍野菜を作るときに重要なのは、「この時間をできるだけ素早く通りすぎる」ということです。

ーーそのためにはどうすればよいでしょうか?

笹嶺 ご家庭にある金属製のバットを活用してください。金属製のバットって熱伝導がすごくいいんですよね。熱くなりやすく、冷たくなりやすい。

金属製のバットに食材をできるだけ平らにして冷凍庫へ。冷凍が完成するまでの時間が短縮され、品質を保ちやすくなる

ーーちなみに、冷凍野菜に保存期限はありますか?

笹嶺 家庭での冷凍野菜は、「おいしく食べられる期間」として、3週間~1ヶ月程度が目安です。「冷凍庫に入れたら半永久的に大丈夫なのでは」と思う方もいらっしゃると思いますが。

ーーまさにそう思っています……! 凍らせれば腐ったりカビたりしないだろうと。

笹嶺 菌は-10℃から-12℃以下で活動を停止するので、おそらく大丈夫だと思います。ただ、ご家庭の冷凍庫は頻繁に開け閉めをしますよね。開け閉めによる温度変化は、必ず食品に影響を与えているんです。だから「冷凍焼け」という現象が起き、風味が落ちることがあります。

冷凍のコンディションが悪く霜だらけになってしまった枝豆は、風味が落ちている可能性大

笹嶺 月に一度、冷凍庫の整理日を設けて、使っていない冷凍野菜は全部おみそ汁や鍋などに入れて使い切るのがいいかもしれませんね。

配信元: マイナビ子育て

提供元

プロフィール画像

マイナビ子育て

育児をしている共働き夫婦のためのメディア「マイナビ子育て」。「夫婦一緒に子育て」をコンセプトに、妊娠中から出産・産後・育休・保活・職場復帰、育児と仕事や家事の両立など、この時代ならではの不安や悩みに対して役立つ情報をお届けしています。