「来られても何もできない…」警察の対応は“一転二転”、無差別殺人計画を防いだ通報者が語る「偶然」の舞台裏

「来られても何もできない…」警察の対応は“一転二転”、無差別殺人計画を防いだ通報者が語る「偶然」の舞台裏

●「普通の人なら諦める」

「今回は、富山県警につながることができたのでよかったですが、最初に対応した警察署の方が『来なくて良い』というスタンスだったら、最初の電話でやりとりが終わっていた可能性があります。

普通の一般人なら『じゃあ、もういいです』と諦めると思います。そうすれば、彼は2日後に富山を出発し、14日朝には東京に着いて、無差別殺人が実行されていたかもしれません」

大友さんは、2008年に起きた「秋葉原無差別殺傷事件」で死刑を執行された加藤智大氏の友人だった。

事件をきっかけに「加害者も被害者も生まない社会」の実現に向けて活動してきたが、警察から冷ややかな対応を受けることは少なくなかったという。

2023年に、刑務所を出た人らの社会復帰を地域でサポートする「保護司」になり、以前よりは警察が耳を貸してくれるようになったが、一筋縄ではいかないことが珍しくない。

「保護司になる前、相談者から『人を殺す』みたいな発言があって、名前の挙がった駅を警察に電話して伝えたら、まず私自身が変な人だと思われてしまい、『話はとりあえず聞きました』と言われ、名前や住所も聞かれないうちに切られようとしたこともありました。

今回も、保護司である私が連絡しても追い返されそうになった。それくらい警察は忙しいのだと思います」

●凶行を防いだ「偶然」の重なり

大友さんは振り返る。

「富山の警察の方と話したら、こちらの話をちゃんと真剣に聞いてくれ、すぐに動いてくれました。だから今回は間に合ったんです」

逮捕された男性が事件前に大友さんにコンタクトをとったこと、通報が必要なケースだと大友さんが直感したこと、大友さんが警察にかけあったこと、富山県警が迅速に捜査したこと──。

大友さんの証言をたどると、犠牲者が出なかった背景には、いくつかの偶然が重なっていたことが見えてくる。一つでも欠けていれば、結果は違っていた可能性がある。

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