「膵臓がん」を疑う「危険な尿の色」はご存知ですか?膵臓がんの初期症状も医師が解説!

「膵臓がん」を疑う「危険な尿の色」はご存知ですか?膵臓がんの初期症状も医師が解説!

膵臓がんを発症する原因

膵臓がんを発症する原因

膵臓がんの発症リスクとなる原因にはどのようなものがあるのでしょうか。それぞれ解説します。

喫煙

喫煙は、膵臓がんの発症リスクを高める最も確立されたリスク因子のひとつです。複数の研究から喫煙者は非喫煙者と比較して膵臓がんの発症リスクが約1.5〜2倍高まることが示されています。
タバコに含まれる発がん物質が膵管上皮細胞のDNAを傷つけることが主な機序として考えられています。禁煙によってリスクは徐々に低下しますが、長期間の禁煙が必要とされています。

糖尿病・慢性膵炎

糖尿病(新たに発症した糖尿病やコントロールが安定していた糖尿病の急性増悪)や慢性膵炎は、膵臓がんの発症リスクを高めると報告されています。
慢性膵炎は膵臓の持続的な炎症により正常な細胞が傷つき、がん化のリスクが上昇すると考えられています。
長年の糖尿病自体も膵臓がんの発症リスク因子です。一方で膵臓がんが原因で新たに糖尿病が発症・増悪するケース(二次性糖尿病)もあるため、注意が必要です。

遺伝的素因・家族歴

膵臓がんの発症には遺伝的背景も関与しています。一親等(親・兄弟・子)に膵臓がんの患者さんがいる場合、発症リスクが約2〜3倍高まるとされています。また、BRCA2遺伝子変異やリンチ症候群(Lynch syndrome)など特定の遺伝性腫瘍症候群においても、膵臓がんのリスク上昇が報告されています。
ただし、膵臓がん全体のうち遺伝性のものは約5〜10%程度と推計されており、多くは複数のリスク因子が重なって発症すると考えられています。

膵臓がんを発症すると尿の色が変化する原因

膵臓がんを発症すると尿の色が変化する原因

膵臓がんが起きると、尿の色はどのように変化するでしょうか。その原因について解説していきます。

胆管閉塞による直接型ビリルビン(抱合型ビリルビン)の尿中排泄の増加

通常、肝臓で水に溶けにくい「間接型ビリルビン(非抱合型)」が、水溶性の「直接型ビリルビン(抱合型)」に変換され、胆汁とともに十二指腸へ排出されます。
膵臓がん(とくに膵頭部がん)が進行すると、腫瘍が総胆管を圧迫・閉塞し、胆管が詰まることでビリルビンが肝臓に逆流・蓄積します(閉塞性黄疸といいます)。血流に出た直接型ビリルビンの一部が腎臓でろ過されて尿中に排出することで、通常よりも濃い茶色〜紅茶色の尿に変化します。この尿の変化は皮膚の黄染よりも早い段階で現れることもあります。

膵臓がん肝転移に伴う肝機能障害からの尿色変化

膵臓がんが進行すると、がん細胞が血流やリンパ流を通じて肝臓へ転移することがあります。肝臓に転移巣が形成されると、正常な肝細胞が破壊・圧迫され血液中のビリルビンを処理・排泄することができなくなり、ビリルビンが血液中に蓄積していきます。これを肝細胞性黄疸といいます。過剰になったビリルビンは腎臓からも排泄されるようになり、尿が濃い茶色〜紅茶色に変色します。

脱水・栄養障害による尿濃縮

膵臓がんに伴う食欲不振・嘔吐・下痢などにより、体内の水分量が低下すると尿が濃縮されて色が濃い黄色になることがあります。また、消化酵素の分泌障害による栄養吸収不全が続くと、尿量の減少や尿の濃縮がさらに助長されます。
この場合の尿の変化はビリルビンによるものとは異なりますが、体の異常を示すサインであることに変わりはありません。水分摂取を増やしても尿の色が改善しない場合は、ビリルビン尿の可能性があるため注意が必要です。

配信元: Medical DOC

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