多職種の連携と、患者さんの「振り分け」
眠れないと、多くの人はまず精神科を受診します。精神科以外にも、呼吸器内科や耳鼻咽喉科、歯科口腔外科など、睡眠障害は少なくとも4つの科にまたがります。ただ、睡眠障害を専門に診る医師は、どの科でもまだ多くありません。だからこそ科を超えた連携が欠かせません。私たちの病院でも耳鼻咽喉科と定期的に合同カンファレンスを開き、一つひとつの症例を相談しています。
眠りの問題で受診しようと思っても、どこに相談したらよいのか分からないと迷ったときの目印としては、日本睡眠学会や日本睡眠歯科学会が認定する専門医を頼ってもらうのがよいと思います。まず検査で状態を確かめ、原因に応じて適切な診療につなげていく――その流れをつくることが、これからの課題です。
ウェアラブルが変える睡眠検査
検査のかたちも変わりつつあります。これまではポリソムノグラフィー(睡眠中の脳波や呼吸を測る検査)が基本でした。しかし負担が大きく、毎回入院して行うのは現実的ではありません。いまは指輪型のウェアラブル端末やスマートフォンでも、睡眠の状態がかなり分かるようになってきました。歯科領域でも、マウスピースにセンサーを組み込み、装着時間や睡眠中の呼吸の状態を記録する機器の開発を進めています。口の中の形状から睡眠時無呼吸のリスクを推定するアプリの開発にも取り組んでおり、今回の学会で発表する予定です。
ウェアラブルの役割は、あくまで「気づき」を促すことです。詳しい診断まではできませんが、「この傾向があるので、一度きちんとした検査を」と道しるべを示せます。今後はこうした検査が広がっていくと考えています。

