塩分排出以外のカリウムの効果

筋肉の収縮に関与
カリウムは筋肉の収縮に関わっており、カリウムやナトリウムが細胞に出入りすることで、神経に伝って筋肉を収縮、弛緩させます。よって、筋肉が伸びたり縮んだりする力を支えます。
水分バランスに関与
カリウムは、むくみを起こす原因の一つである水分バランスを調節する働きがあります。余分なナトリウムや水分を尿として排出する働きがあり、体内の水分バランスを一定に保つことに関与する栄養素です。
骨密度の維持に関与
カリウムを多く含む野菜や果物を十分に摂る食生活は、骨の健康維持に役立つ可能性があります。カリウムは体内の酸塩基平衡やミネラルバランスに関わっており、食事内容によっては尿中へのカルシウム排泄を抑えることが示唆されています。ただし、カリウムだけで骨密度を維持したり、骨を強くしたりできるわけではありません。骨の健康を保つためには、カルシウムやビタミンD、ビタミンK、たんぱく質などをバランスよく摂取し、適度な運動を行うことも大切です。
カリウムの多い食品

野菜類
ほうれん草、小松菜、トマトなどにカリウムが多く含まれています。カリウムは茹でると茹で汁に溶けてしまいます。生で食べられる野菜はカリウム損失が少なく、効果的に摂取できます。他にも、蒸し料理や電子レンジ調理、スープや汁物にして汁ごと食べることで、食事から摂れるカリウムの量が変わります。
果物類
バナナ、キウイ、アボカドなどにもカリウムが含まれています。果物はビタミンや食物繊維も摂れる一方で、食べ過ぎるとエネルギーや糖質の摂り過ぎにつながることがあります。一般的な果物摂取の目安は1日200g程度で、バナナであれば中くらいの大きさで1日2本程度が目安です。ただし、アボカドは脂質が多くエネルギーも高いため、量に注意しながら、ほかの果物や野菜と組み合わせて取り入れるとよいでしょう。
芋類・豆類
じゃがいも、さつまいも、大豆製品などにもカリウムが含まれています。芋類は果物類と同様に、過剰摂取はカロリーオーバーや糖質過多になります。量やバランスを考えて食べましょう。また、豆類はたんぱく質も豊富に含み、筋肉作りにも役立ちます。日本食品標準成分表(八訂)増補2023年によると、藻類にもカリウムが多く含まれています。食品成分表の数値は100g当たりで示されているため、普段の食事で無理なく食べられる量も意識しながら、野菜を1皿増やす、果物を1日1回取り入れる、いも類や豆類を副菜に加えるなど、継続して摂取しやすい食品を組み合わせることが大切です。
塩分排出にカリウムと一緒に摂ると良い食べ物は?

体内の塩分管理には減塩が基本です。減塩を意識しながらカリウムを十分に摂りやすい組み合わせをご紹介します。
バナナ × プレーンヨーグルト
バナナはカリウムを含み、ヨーグルトと組み合わせると手軽な間食になります。加工食品中心のおやつは塩分の過剰摂取になることがありますが、簡単で満足感のある置き換えとしていかがでしょうか。
ほうれん草 × 豆腐
みそ汁の具や白和えにすると取り入れやすい組み合わせです。野菜を増やすことで、食事全体としてナトリウムとカリウムのバランスを意識しやすくなります。また、味付けは醤油やめんつゆをかけすぎないことがポイントです。
じゃがいも × 鶏肉
香辛料やだしを活用し、薄味調理にすると、余分な塩分を増やしにくく、満足感も出しやすい組み合わせです。ポテトサラダにするなら加工食品のハムの量を控えめにすると塩分管理しやすいです。
カリウムが不足すると現れる症状

筋肉のけいれん・こむら返り
カリウムが不足すると、筋肉の機能が低下し、スムーズに動かなくなります。夜中や運動後にふくらはぎがつる(こむら返り)現象がよく起きます。
力が入りにくい・倦怠感
カリウムは筋肉の収縮や神経の伝達に関わっています。不足することで、手足が重く感じる、階段がつらい、立ち上がりにくい、だるいなどと感じる可能性があります。
動悸や不整脈
心臓も筋肉でできています。カリウムは体内に必須の電解質であり、不足すると心臓の動きが乱れる、動悸を感じたりします。普通に食事をしている人では、カリウム不足になることはあまり多くありません。ただし、激しい下痢・嘔吐があったとき、利尿薬を使用しているとき、大量の発汗時、一部の病気(腎臓・ホルモンの異常など)のときなど、身体からカリウムが出ていった場合に不足が起こることがあります。
カリウムを過剰摂取すると現れる症状

腎臓が正常に機能している方では、通常の食事からカリウムを多く摂っても、余分な分は尿中に排泄されるため、過剰症が起こることはまれです。しかし、腎機能が低下している方や、一部の薬を服用している方、カリウムを含むサプリメントや代替塩を使用している方では、血液中のカリウム濃度が高くなり、高カリウム血症を起こすことがあります。
手足・唇の痺れ、筋肉の痙攣
カリウムは、神経の伝達や筋肉の収縮に関わる重要なミネラルです。血液中のカリウム濃度が高くなりすぎると、神経や筋肉の働きに影響し、手足のしびれ、力が入りにくい、筋力低下、だるさなどが現れることがあります。
胃腸症状
高カリウム血症では、吐き気、嘔吐、腹部不快感などの胃腸症状がみられることがあります。ただし、腎機能が正常な方では、通常の食事からカリウムを摂り過ぎただけで高カリウム血症が起こることはまれです。腎機能の低下や一部の薬剤、サプリメントの使用などが関係する場合があり、特に注意が必要なのは不整脈や筋力低下などの症状です。
心臓の異常
カリウムは、心臓の拍動リズムを正常に保つために重要なミネラルです。しかし、血液中のカリウム濃度が高くなりすぎると、心臓の電気信号に影響し、脈が乱れる不整脈を起こすことがあります。動悸や脈の乱れ、胸の違和感、息苦しさ、強いだるさなどがみられる場合があり、重症化すると命に関わることもあります。
「カリウムと塩分」についてよくある質問

ここまでカリウムと塩分などを紹介しました。ここでは「カリウムと塩分」についてよくある質問に、メディカルドック監修管理栄養士がお答えします。
塩分排出するのにカリウムは効果的ですか?
島袋 桜(管理栄養士)
カリウムを摂取すると尿中に塩分を排泄するよう促す働きがあります。ただし、減塩を意識した食生活が基本で、カリウムの摂取は補助的に考えるとよいでしょう。
カリウムを摂取すると、尿中に塩分を排泄するよう促す働きがあります。ただし、減塩を意識した食生活が基本で、カリウムの摂取は補助的に考えるとよいでしょう。
カリウムによる塩分排出で注意することはありますか?
島袋 桜(管理栄養士)
腎臓の働きが低下している方や特定の薬を飲んでいる方は、体内にカリウムがたまりすぎて高カリウム血症になるリスクがあります。
腎臓の働きが低下している人や特定の薬を飲んでいる人は、体内にカリウムがたまりすぎて高カリウム血症になるリスクがあります。
編集部まとめ
カリウムは、細胞内液の浸透圧を調整し、体内の水分バランスを保つために必要なミネラルです。また、神経の伝達や筋肉の収縮、体液のpHバランスの維持にも関わっています。さらに、ナトリウムの尿中排泄を促す働きがあり、食塩相当量の摂り過ぎが気になる方にとって、野菜や果物、いも類、豆類などからカリウムを適度に摂ることは大切です。ただし、カリウムを摂れば摂り過ぎた食塩相当量を打ち消せるわけではないため、基本は減塩を意識した食生活です。腎機能が正常な方では、通常の食事からカリウムを多く摂っても過剰症が起こることはまれですが、腎機能が低下している方や一部の薬を服用している方では、高カリウム血症により筋力低下や不整脈などを起こすことがあります。心配な方は、自己判断で摂取量を増やさず、医師や管理栄養士に相談しましょう。
「カリウム」と関連する病気
「カリウム」と関連する病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
循環器系の病気
高カリウム血症
低カリウム血症婦人科の病気
月経前症候群(PMS)
「カリウム」と関連する症状
「カリウム」と関連している、似ている症状は3個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
筋力の低下
手足の痺れ
こむら返り
参考文献
「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書|厚生労働省
食品成分データベース|文部科学省
公益財団法人 長寿科学振興財団
- 「心不全の薬」は服用し続けないといけない?種類別の効果と注意点も医師が解説!
──────────── - おやつをバナナに変えるだけ? 医師が明かす”薬以外”の『高血圧』対策
──────────── - 「とうもろこしの食べ過ぎ」は”体にどんな症状が出る”のか?管理栄養士が解説!
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