■ 長年の信頼に基づくチャネル「自動販売機」の価値
自動販売機事業については、「今後もなくならないし、なくしてはいけない」と位置づける。木村社長は、自販機の価値を単なる販売機能ではなく、長年の信頼に基づくチャネルだと見る。
オフィスの中に外部の人が自然に入れるケースは限られるが、自販機オペレーターは長年の関係性によって入ることができる。その信頼こそが、自販機事業の基盤だとした。
今後は、通信機能などを備えた自販機の高度化に加え、オフィスや工場での水分補給、熱中症対策など、社会課題への対応でも役割を広げる。木村社長は、自販機を「自分たちのチャネル」とし、サントリープラスなどのサービスとも組み合わせながら、さらに進化できる余地があるとみている。
■ 現場の「やらせてくんなはれ」を経営が後押し
人材面では、サントリーの強みとして、変化を前向きに捉える企業文化を挙げた。「やってみなはれ」という言葉については、その前提に「やらせてくんなはれ」という現場の思いがあると説明する。現場が考え抜いて挑戦したいと声を上げ、経営が背中を押す。この関係を今後も大切にする考えだ。
人材育成では、ジョブ型にも合理性があるとしながら、同社はメンバーシップ型を基本に据える。さまざまな仕事を経験し、専門性を組み合わせることで価値を生み出す人材を育てる考えだ。
木村社長自身も研究開発、マーケティング、営業、サプライチェーンと異なる領域を経験してきた。「多くの仕事は努力すれば身に付く」とし、経験を次の仕事に生かす重要性を語った。

