採血後の内出血はなぜ起こる?メディカルドック監修医が血液検査などの後にあざが広がる・消えないときの原因や注意すべき合併症について解説します。

監修医師:
伊藤 規絵(医師)
旭川医科大学医学部卒業。その後、札幌医科大学附属病院、市立室蘭総合病院、市立釧路総合病院、市立芦別病院などで研鑽を積む。2007年札幌医科大学大学院医学研究科卒業。現在は札幌西円山病院神経内科総合医療センターに勤務。2023年Medica出版社から「ねころんで読める歩行障害」を上梓。2024年4月から、FMラジオ番組で「ドクター伊藤の健康百彩」のパーソナリティーを務める。またYou tube番組でも脳神経内科や医療・介護に関してわかりやすい発信を行っている。診療科目は神経内科(脳神経内科)、老年内科、皮膚科、一般内科。医学博士。日本神経学会認定専門医・指導医、日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医、日本老年医学会専門医・指導医・評議員、国際頭痛学会(Headache master)、A型ボツリヌス毒素製剤ユーザ、北海道難病指定医、身体障害者福祉法指定医。
採血の流れと採血針
採血は血液検査のために静脈から少量の血液を採る手技で、患者さんの安全性を重視しながら行われます。採血では真空採血管に接続する翼状針や直針、採血管一体型のホルダーなどを使い、肘や手背の静脈を選んで消毒後に刺入し、採血後は十分に圧迫して止血します。
採血後に内出血が起こることがあるのはなぜ?
採血では針を静脈に刺すため、血管の壁から少量の血液が皮膚の下へ漏れ出て青あざとして見えることがあります。また、採血中に腕が動くと血管や針の位置がずれ穿刺していない部分にも傷がつく可能性があり、その傷ついた部分から血が漏れて内出血が起こってしまいます。
採血の際に血管の壁が広く傷つくこと
採血の際に血管の壁が広く傷ついたり、針が血管を貫いたりして周囲の組織に血液が漏れると、採血部位周囲に青紫の内出血が生じます。血が止まりにくい血友病などの病気がある場合は、普段から軽い打撲であざが増える、止血に時間がかかるなどの症状がみられます。採血後に痛みや腫れが強い・あざが急に広がるときは、採血を受けた医療機関や内科に早めに相談し、熱感や強い腫れがあれば早急な受診が望ましいです。
抗凝固薬や抗血小板薬の内服
抗凝固薬や抗血小板薬、血液をサラサラにする薬を服用していると血が固まりにくく、採血部位からじわじわ血液が漏れて内出血しやすくなります。脳梗塞・心疾患の治療中や不整脈でこれらの薬を飲んでいる方では、少しの採血でもあざが大きく出ることがあります。薬を飲んでいる方は採血前の申告が大切です。内出血が急に大きくなる・止血しても出血が続く場合は、かかりつけの内科や循環器内科に連絡し、緊急時には救急受診も検討します。
加齢性変化や血管の性状
血管が細くて深い方では、針を正確に刺すのが難しく、内出血を起こす要因を招きやすい傾向にあります。また、高齢で皮膚や皮下組織が薄い方は、わずかな刺激でも血管が破れやすく、採血後の内出血が目立ちます。特に採血中に腕が動くと血管や針の位置がずれてしまい、血管以外の部分に傷がつき、その部分から血液が漏れ内出血を起こします。高齢の方や出血傾向が疑われる方で広い内出血が繰り返すときは、内科や血液内科で血液検査を受け、急に大量出血などがあれば救急受診が必要です。

