高額な薬の時代に「医療の持続可能性」を支える
近年は、がんに対する分子標的薬や、患者数の少ない病気に使われる薬(オーファンドラッグ)など高額な薬が相次いで登場し、中には1人あたり数千万円かかる薬もあります。治せなかった病気が治せるようになる進歩は欠かせないからこそ、どこで節約するのかを考えなければならないと成田先生は語ります。
ジェネリックで代えられるものは代えて薬を集約し、そこで生まれた余力を新たに登場した治療へ振り向ける。フォーミュラリはすべての薬を対象にするわけではなく、生活習慣病など広く使われる薬が中心で、希少な病気や高度に専門的な薬は基本的に対象外です。限られた財源をどう使うかという問いの中で、フォーミュラリは保険医療の持続可能性を支える役割を果たせる、と成田先生は説明します。高額でも欠かせない薬を、必要な患者さんに届け続けるための土台づくりともいえます。
薬の安定供給という課題
集約には、薬の安定供給という別の課題も関わります。日本では多くの種類を少量ずつ作る小規模な製薬メーカーが多く、品質をめぐる問題も重なって、薬が安定して手に入らない事態が続いてきました。成田先生は、同じ生産ラインで複数の種類の薬が生産されることがあるのも品質問題の一因だとして、メーカーの再編を進め生産体制を合理的に整えていく必要があると指摘しました。

