夏と冬で血圧の変動に違いはある?

一般的に、血圧は寒さで血管が縮む冬に上がり、暑さで血管が広がる夏は下がる傾向があります。季節による血圧の変動は、外気温の変化に連動しているとされています。また、日照時間や活動性、場合によってはホルモンの分泌変化も夏と冬の血圧変動に影響することがあります。血圧変動は、生活スタイルや体質による個人差も大きいため、毎日血圧を測定してご自身の体質の特徴を知ることが大切です。
「夏の血圧変動」で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「夏の血圧変動」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
高血圧
高血圧は、血管に強い圧力がかかるために血管が傷み、動脈硬化や心臓、脳の疾患のリスクを上げる病気です。別の病気に起因するものでない場合、塩分の過剰摂取や肥満、運動不足などが原因として挙げられます。医療機関では生活習慣の指導や降圧薬の処方をおこないます。健康診断で高血圧を指摘された、家庭での血圧が135/85mmHg以上の日が続くなどの場合は、内科を受診しましょう。
低血圧
低血圧は、血圧が低いために全身への血液供給が不十分になる病気です。心臓やホルモン分泌の異常、大量の出血、脱水、薬剤などの原因がない場合は、自律神経のバランスが崩れるために起こるケースが多くみられます。医療機関では、低血圧が何か別の病気によって起きているものでないかを確認したうえで、生活習慣の改善指導や必要ならば血圧を上げる薬の処方などをおこないます。収縮期血圧が100mmHgを下回り、めまいやたちくらみ、悪心などがつらい場合は内科へ相談しましょう。
熱中症
熱中症は、夏をはじめとする高温の環境で体温調節機能が正常に働かず、体内に熱がこもることで起こります。初期はめまいやたちくらみ、大量の発汗など、症状が進むと頭痛や嘔吐、集中力の低下などがあらわれます。さらに症状が重篤になると、命に関わるケースも少なくありません。熱中症を疑う症状が見られた場合、すぐに涼しい場所に移動して身体を冷やし、水分、塩分を補給します。改善しない場合は内科を受診しましょう。もし呼びかけへの反応がない場合は、救急車を呼び速やかに受診してください。
夏のヒートショック(急性心不全・不整脈など)
夏のヒートショックは、冷房の強く効いた室内と暑い屋外との温度差で起こる急激な血圧変動です。めまいやたちくらみ、血圧変動が繰り返されると急性心不全や不整脈などによる胸の痛みや息苦しさなどが起こるおそれもあります。少し休んでもめまいが治まらない、胸の痛みや苦しさがあるなどの場合は、かかりつけの内科や循環器内科を受診しましょう。症状が強い場合は、救急車の利用も検討してください。
脳梗塞
脳梗塞は、脳の血管が詰まって血流が途絶え脳組織がダメージを受ける病気です。冬場の寒さによる高血圧で起こるケースが有名ですが、血圧が下がりやすい夏は、脱水によって血液の粘度が上がることが脳梗塞の大きなリスクとなります。言葉がうまく出ない、片側の顔や手足の麻痺などがあらわれた場合、脳梗塞の可能性があります。速やかに救急車を呼び、設備の整った脳神経外科で血栓を溶かす治療を受けてください。
心筋梗塞
心筋梗塞は、心臓に酸素を送る太い血管(冠動脈)が詰まって血流が途絶え、心筋が壊死する病気です。高血圧や糖尿病、肥満、喫煙、ストレスなどが大きなリスクとされています。脳梗塞と同様に、夏場は脱水によって血液の粘度が高まって詰まりやすくなるため注意が必要です。突然締め付けられるような胸の痛みや胸部の圧迫感があらわれ、安静にしても症状が続く場合は速やかに救急車を呼び、設備の整った医療機関を受診しましょう。

