腸活のおすすめ食品とは?メディカルドック監修管理栄養士が効果・おすすめの食品・おすすめの食べ合わせ・注意点・効率的な進め方などを解説します。

監修管理栄養士:
中岡 紀恵(管理栄養士)
短大卒業後、20年以上経って栄養士の職に就く。給食受託会社に勤務しながら管理栄養士の資格を取得。栄養指導に携わりたいという思いから、病院に転職。現在は慢性期病院で栄養指導、入院患者様の栄養管理、給食管理等を担当。生涯現役で、栄養相談を通じてたくさんの人を健康に導くのが夢であり、目標でもある。
「腸活」とは?

腸活とは、腸内細菌の集まりである腸内細菌叢や排便などに配慮し、腸の健康維持を目指す食事・運動・睡眠などの生活習慣を指す一般的な呼び方です。医学的に統一された定義や評価基準があるわけではありません。腸内には数百種類以上、数十兆個規模の細菌が生息していると考えられており、その種類や構成は食事、年齢、生活環境、服薬状況などによって一人ひとり異なります。腸内細菌は一般向けに「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」と説明されることがありますが、これは便宜的な分類であり、同じ菌でも体の状態や存在する量によって働きが異なる場合があります。食生活では、適切な量を摂取したときに健康上の利益をもたらすことが確認された生きた微生物である「プロバイオティクス」と、腸内の微生物に選択的に利用され、健康上の利益につながる「プレバイオティクス」を取り入れる考え方があります。ただし、すべての発酵食品や食物繊維、オリゴ糖がこれらに該当するわけではありません。腸は消化・吸収や排便だけでなく、免疫機能や代謝にも関わり、脳と相互に影響し合う「脳腸相関」についても研究が進められています。
腸活の効果

お通じを整える
食物繊維や水分が腸の蠕動運動を促し、便通を整える役割があるとされています。食物繊維や発酵食品を摂ることで善玉菌が増えやすくなり、便のかさが増えることで排便を促します。特に水溶性食物繊維は便を柔らかくし、不溶性食物繊維は便の量を増やす働きがあります。
免疫機能の維持に役立つ可能性がある
全身の免疫細胞の多くは、腸管関連リンパ組織(GALT)と呼ばれる腸の免疫組織に集まっているとされています。腸内環境を整えることは、免疫機能の維持に関わる可能性があり、風邪を引きにくくなることや、花粉症などのアレルギー症状の軽減に関する研究も報告されています。ただしこれらの働きには個人差があり、必ずしもすべての方に同様の変化があるとは限りません。
短鎖脂肪酸と代謝との関係
腸内細菌が産生する「短鎖脂肪酸」がエネルギー代謝をサポートします。「短鎖脂肪酸」とは有機酸の一種で、腸内細菌が食物繊維やオリゴ糖をエサにして生み出す成分です。私たちの体に有益に働く短鎖脂肪酸は代表的なものに、酪酸、酢酸、プロピオン酸があります。これらは腸内のpHを弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑える働きもあります。
肌の調子を整える
肌で起こった炎症を鎮めたり、紫外線などダメージを受けた細胞を処理したりするのも、免疫細胞の働きと関係があるといわれています。腸内環境の悪化による有害物質の生成を抑え、肌荒れを防ぐ効果も期待できるとされています。
ストレスの緩和や気分の安定につながる
腸の調子が整うと、気持ちが落ち着きやすくなったり、イライラしにくくなったりする可能性があります。例えば、便秘が続くと体が重く感じられ、気分もすっきりしにくくなることがあります。反対に、食事や生活リズムが整い、お通じが安定すると、朝の気分が爽快になると感じる方もいるでしょう。腸内環境は、気分の安定に関わる神経伝達物質であるセロトニンと関連しています。セロトニンの多くは腸で作られますが、腸で作られたセロトニンが直接脳に移行するわけではありません。腸と脳は「脳腸相関」と呼ばれる仕組みで相互に影響し合っていることが知られており、腸内環境の状態が気分やストレスの感じ方に関係する可能性が示されています。そのため、心のコンディションを整え、ストレスを感じにくい状態づくりにも役立つことが期待されています。

