話を聞いたのは……

教育評論家 親野智可等さん
教師経験をもとに、子育て、しつけ、親子関係、勉強法、家庭教育について具体的に提案。人気漫画『ドラゴン桜』の指南役としても著名。『親の言葉100』『子育て365日』『反抗期まるごと解決BOOK』などベストセラー多数。
そうじのお手伝いの目的は「しつけ」や「自立」ではない
ーー親野さんは以前から「お手伝いは子どもの成長につながる」ことを発信されていますよね。
親野智可等さん(以下、親野) まずそもそも、なんのために子どもにお手伝いをさせるか、ということを考えてほしいんですが、どう思われますか?
ーーしつけや自立を促すため、でしょうか?
親野 いや、ちがうんです。自立やしつけは、もうちょっとあとの話だと思います。最優先すべきは、親子関係を良くして、子どもの自己肯定感を高める。これがお手伝いの目的です。

親野 自立やしつけ、生活習慣にアプローチする、というのは、「能力をつけよう」というベクトルじゃないですか。そうすると、叱る回数が増えてしまうんですよ。これを理解していない親御さんが非常に多いように感じます。
ーーたしかに、「ちゃんとやりなさい」と叱りたくなってしまいます。
親野 そうなんです。「なんでやらないの!?」「もっとうまくやりなさい!」「何度言ってもできないね」……こんな言葉が出てきてしまう。
ーーしつけや自立が目的ではない、ということがよくわかりました。
親野 「親子関係を良くして自己肯定感を高めるためのお手伝い」という発想を前提にすると、褒めることが増えるんです。「◯◯をしてくれて助かったよ。ありがとう」「疲れていたから、洗濯物を取り込んでくれて本当にうれしい。大好き!」とかね。
ーーたしかに、そういった接し方をしたほうが、良好な親子関係を築くことができますね。
親野 これを理解しておけば、叱るなんてナンセンスだってわかるはず。ムリヤリお手伝いをやらせたり、失敗を叱ったり、自己肯定感を下げるようなことは起こらないと思います。
