肝炎は血液検査で分かるのか?

肝炎は基本的に血液検査で判断します。基本はAST、ALTの上昇、症状などで診断をつけていきます。なお、肝酵素は胆道系疾患でも上昇することがありますが、肝酵素・胆道系酵素がどのような上がり方をしているかなどでどこが原因かを推測していきます。血液検査で肝炎が疑われた場合は内科・消化器内科を受診し検査及び治療を行っていくことになります。
肝炎の血液検査で確認する項目と結果の数値

AST、ALT
肝臓の細胞がどの程度障害されているかを判断する指標です。どちらの値が有意に上がっているかなどにより、肝臓のどの部分にダメージがあるか推測することもあります。また、肝臓だけではなく胆道に関係する病気で肝臓にダメージがあった場合でも上昇します。その場合はビリルビンやALPなど他胆道系酵素と比較してその上がり方でどこに原因があるかなどを推測していきます。基準値はともに30 U/L以下であり、50U/Lを超えてくる場合は早めの精密検査が必要です。急性肝炎の場合はこの値が4桁となることもありますが、その場合は突然重症化するリスクもあるため入院での治療を検討、となることもあります。
B型肝炎ウイルス
B型肝炎ウイルスの検査としてはB型肝炎ウイルスの抗原、抗体を調べます。B型肝炎ウイルスの検査には複数の抗原・抗体があり(HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体)、どれが陽性でどれが陰性かによって未感染、既感染(以前かかっていた)、現感染、ワクチン接種後疑いなどを調べていきます。HBs抗原はウイルスそのものを反映するため、これが陽性となった時点で体内にウイルスが存在します。一方でHBs抗体はB型肝炎ウイルスに対する抗体を持っていることを示すため、感染後、もしくはワクチン接種後を意味します。これは一部で少なくなってしまい陰性となることもあります。HBc抗体はウイルスに感染した後にできるため、これが陽性となった場合は以前に感染していたということを意味します。
現感染:HBs抗原(+)
既感染:HBs抗原(−)、HBs抗体(+)、HBc抗体(+)
ワクチン接種後:HBs抗原(−)、HBs抗体(+)、HBc抗体(−)
未感染:HBs抗原(−)、HBs抗体(−)、HBc抗体(−)
これらの検査の結果、現時点でB型肝炎ウイルスが体内にいる可能性がある場合、体内にどの程度ウイルスの量がいるか(HBV-DNA量)、ウイルスの勢いがどの程度か(HBe抗原、HBe抗体)を調べていきます。なお、血液検査以外では腹部エコーなどで肝臓の状態を評価していきます。
C型肝炎ウイルス
C型肝炎ウイルスに対する抗体(HCV抗体)を調べます。この抗体が陽性であった場合、現時点でC型肝炎にかかっているのか、どのタイプのウイルスにかかっているのか、体内にどのぐらいの量のウイルスがいるのかなど現状の評価が必要です。そのため、C型肝炎ウイルスのRNA量(HCV-RNA)を測定、また、どんなタイプのウイルスなのか遺伝子型を調べます(HCVジェノタイプ)。基本的にC型肝炎のウイルスが検出された場合、治療の対象となります。
他ウイルス検査
肝炎の原因として先に述べた通り、A、E型肝炎ウイルスやEBウイルス、サイトメガロウイルスなどの感染もあげられます。その場合、それぞれのウイルスの抗体などを調べ、感染があるか確認していきます。
自己抗体
自身の臓器などを攻撃してしまう抗体のことを自己抗体と言います。肝臓にもこの自己抗体が原因となる自己免疫性肝炎という病気が存在します。この自己免疫性肝炎は肝機能障害・肝炎を指摘されその原因を調べる中で自己抗体(抗核抗体や抗平滑筋抗体など)を測定し、陽性となることで疑われます。なお、確定診断は肝臓の組織を採取しての検査(肝生検)を行うことでつけていきます。

