「これからは“剣太の家族”としてできることを」
なぜ、両親は17年たったいまも、取材や講演で剣太さんのことを話し続けているのか。それは、つらい過去と常に向き合い続ける大変な営みのはずだ。「この地獄のような状況を、二度と他の人たちには味わってもらいたくないんよ」
最初は、恨みしかなかった。「顧問らをどうにかしてやる」という気持ちだけだったと語る。けれど、いつからか、それは変わっていった。自分たちの経験が、これから先の誰かの役に立つのならと信じて、活動を続けている。
両親は今、学校職員や教師だけでなく、これから社会に出る大学生たちに向けても講演を重ねている。「遺族」という括りからは、そろそろ離れたい。これからは「剣太の家族」として、二人にできることをやっていきたい。そう話してくれた。
<取材・文/菅原春二>

