「アイス」を食べると”血糖値”はどうなるかご存じですか?注意点も医師が解説!

「アイス」を食べると”血糖値”はどうなるかご存じですか?注意点も医師が解説!

「血糖値」の異常で気をつけたい病気・疾患

「血糖値」の異常で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「血糖値」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

糖尿病

糖尿病(2型)は、遺伝的な体質に加えて食生活の乱れや運動不足が引き金となり、血液中のブドウ糖が異常に高いまま固定化してしまう現代病です。高血糖は全身の血管をいわば「砂糖漬け」のストレスに晒し、自覚症状がないまま網膜や腎臓、神経などの細い血管を破壊していきます。健診で空腹時血糖値126mg/dL以上、またはHbA1c 6.5%以上を指摘されたら治療の対象です。放置せず、早急に糖尿病内科へ受診しましょう。

血糖値スパイク

血糖値スパイクは、食後1〜2時間の間に血糖値が激しく乱高下する現象です。早食いや、空腹時に炭水化物や甘いものを単品でドカ食いすることが主な原因となります。この激しい糖の乱高下は、血管の壁に強い酸化ストレス(活性酸素によるダメージ)を与え、糖尿病の前段階から動脈硬化を劇的に進めてしまいます。食後に頭がぼーっとするなどの症状があれば、放置せずに糖尿病内科や一般内科を受診し、負荷試験を受けましょう。

動脈硬化

動脈硬化とは、血糖値スパイクや糖尿病による慢性高血糖が続くと、血管の内壁が糖によって傷つけられ、そこにコレステロールなどがこびりついて血管が硬く、狭くなる病態です。放置すると、ある日突然血管が詰まり、脳梗塞や心筋梗塞といった命に関わる大惨事を引き起こします。治療には、原因となる血糖値の厳格なコントロール、高血圧や脂質異常症の同時治療をします。そして禁煙も重要です。必要に応じて、血管を拡張させるお薬の内服や、外科的なカテーテル治療を行います。長年、血糖値が高い状態を放置している方や、少し歩くだけで「胸が締め付けられるように痛む(狭心症症状)」、片足が冷たくて歩くと痛む(閉塞性動脈硬化症)などの歩行障害が出た場合には、循環器内科、脳神経内科、糖尿病内科を受診してください。

「アイスと血糖値」についてよくある質問

「アイスと血糖値」についてよくある質問

ここまでアイスと血糖値について紹介しました。ここでは「アイスと血糖値」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

アイスを食べると、食後の血糖値は高くなってしまうのでしょうか?

久高 将太 監修医

一般的な市販のアイスを普通に1個、空腹時におやつとして食べれば、確実に食後の血糖値は急激に高くなります。アイスに含まれる砂糖や液糖は、他の食品に比べて体への吸収スピードがトップクラスに早いためです。ただし、選ぶ種類(糖質オフ製品)を変えたり、「食後すぐ」に食べるなどの対策を講じれば、高くなるのを最小限に抑え込むことは十分に可能です。

乳脂肪分が豊富な高級アイスなどは、氷菓に比べて血糖値が急上昇しにくいというのは本当ですか?

久高 将太 監修医

はい、医学的に本当です。乳脂肪分(脂質)は、胃から腸へ食べ物が送り出されるスピードを遅らせ、さらに腸の粘膜で糖分を包み込むことで、糖の吸収速度を緩やかにする働きがあります。そのため、脂質がほとんどないシャーベット(氷菓)よりも、高級アイスクリームの方が、食後の血糖値の立ち上がり(スパイク)は穏やかになります。ただし、「急上昇はしにくいが、後からじわじわと高い血糖値が長引く」「カロリー自体は非常に高い」というデメリットもあるため、どちらにせよ食べ過ぎは厳禁です。

どうしてもアイスを食べたい時、血糖値を急上昇させない工夫やおすすめの選び方はありますか?

久高 将太 監修医

最もおすすめの選び方は、裏面の成分表を見て「糖質10g以下」と明記されている糖質オフのアイスを選ぶことです。さらに工夫として、食事のデザートとして「食後すぐ」に食べること、そして食べる前に素焼きのアーモンドを5粒ほどカリカリと噛み砕いてからアイスを口に運ぶと、脂質と食物繊維のダブルのブロック効果で、血糖値の急上昇を驚くほど予防することができます。

脂質が低いシャーベットやかき氷なら糖尿病でも食べて大丈夫でしょうか?

久高 将太 監修医

いいえ、「脂質が低くて健康的」と誤解して安易に食べるのは大変危険です。シャーベットや一般的なかき氷(シロップがかかったもの)は、脂質が低い代わりに成分のほぼ100%が水分と単純糖質です。糖尿病の患者さんがこれを食べると、インスリンの分泌が追いつかず、あっという間に危険な血糖値スパイクを引き起こします。「脂質が低い=糖尿病に安全」ではないことを強く認識してください。もし氷菓を食べたい場合は、砂糖不使用の自家製シャーベットにするか、一度に食べる量を大さじ2杯程度に留める工夫が必要です。

まとめ 血糖値が気になるときのアイスクリームは食べ方と種類に注意

夏の風物詩でもあるアイスですが、血糖値や糖尿病が気になるときは、「食べるタイミング(食べ方)」と「乳成分・糖分の量(種類)」に細心の注意を払うことが何よりも大切です。ただし、お伝えしておきたいことは、糖尿病だからといって、人生からアイスを完全に排除して悲観する必要は全くない、ということです。最悪なのは「知らずに空腹時にラクトアイスや氷菓をドカ食いすること」であり、正しい知識を持って「食後すぐに、糖質10g以下のオフ製品を、よく味わって適量食べる」のであれば、血管へのダメージを最小限に抑えながら、安全に美味しく楽しむことができます。健康維持の秘訣は、無理な絶対我慢ではなく、ホルモンの仕組みを理解した「賢いコントロール」です。ご自身の体と上手に付き合いながら、豊かな食生活を送っていきましょう。

「血糖値」と関連する病気

「血糖値」と関連する病気は5個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

代謝・内分泌系疾患

代謝・内分泌系

2型糖尿病1型糖尿病

循環器・血管系疾患

循環器・血管系

動脈硬化症

狭心症心筋梗塞

血糖値の異常(高血糖)は、全身の血管を少しずつ蝕み、最終的には心臓や脳の重大な血管事故へと直結するドミノの最初の一枚です。

「血糖値」と関連する症状

「アイスと血糖値」と関連している症状は5個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

アイスや食後に激しい眠気に襲われる

いくら水を飲んでも喉が異常に渇く

夜間も含めて尿の回数や量が明らかに増えた

しっかり食べているのに体重が急激に減る

手足の先がピリピリとしびれる・感覚が鈍い

アイスを食べた後に強い眠気やだるさ、喉の渇きを感じたら、それは体の中で血糖値スパイクが起きているサインです。

参考文献

日本糖尿病学会 糖尿病診療ガイドライン2024

厚生労働省 e-ヘルスネット インスリン

消費者庁 乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)の概要

配信元: Medical DOC

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