症状はいつまで続く?5年半のコロナ後遺症診療から考える「備えと治療、回復までの道」

症状はいつまで続く?5年半のコロナ後遺症診療から考える「備えと治療、回復までの道」

「そのうち治る」は危険―早期受診・治療は後遺症予防の鍵

編集部

パンデミック当時に比べて現在は、多少発熱しても「風邪かな」「そのうち治るだろう」と自己判断し、受診しない人は多くなったと思います。

大塚先生

自己判断で受診を遅らせることは危険です。だるさが非常に強い場合は、新型コロナやその他のウイルス感染症である可能性があります。もし新型コロナだった場合は治療が遅れて重症化すると後遺症リスクも上昇します。また、受診が遅れると、細菌性肺炎などの二次感染を見逃したり、発熱が引き金になって持病が悪化したりするリスクも生じます。ですからまずは一度医療機関にかかってコロナ感染の可能性がないかを検査し、治療すべきかどうかを判断してもらうことが大事です。

編集部

急性期治療のタイミングが後遺症に関係するのですか?

大塚先生

はい。発症の早い段階で抗ウイルス薬などによる適切な治療を受けた人では、後遺症の発生率や重症度が低いことを示唆する研究報告が出ています。一方で、後遺症に対する特効薬はまだないのが現状です。だからこそ「コロナにかかったかも」と思ったらすみやかに受診し治療の要否を判断してもらうことは、後遺症にならないという意味でも重要なのです。

後遺症リスクが高い人の特徴は? 持病コントロールの重要性

編集部

後遺症の残りやすさに違いはあるのでしょうか。

大塚先生

国内外の研究で共通する後遺症リスクとして、女性、40歳以上、肥満、喫煙者、特定の持病のある人が挙げられます。具体的には、糖尿病、気管支喘息、腎臓病、心臓病、不安やうつなど精神疾患、免疫抑制の治療を受けている人などです。また、感染をきっかけに持病そのものが悪化するケースも少なくありません。糖尿病の人は血糖のコントロールが乱れやすくなりますし、全身の炎症が起こることで、もともと持っているアレルギーや自己免疫の病気を活性化させるという報告もあります。

編集部

持病のある人が新型コロナに感染しても後遺症を残さないために、普段から備えておけることはあるのでしょうか。

大塚先生

備えの基本は、持病をきちんとコントロールしておくことです。糖尿病なら血糖値を、高血圧なら血圧を普段から安定させておくことが、万が一感染した際の体へのダメージを最小限に抑えます。なお、重症化および後遺症予防の観点からはワクチン接種も推奨されます。
また、見落とされがちですが、栄養と休息も非常に重要です。食事や睡眠が乱れていると後遺症が長引きやすい傾向にあります。実際に、後遺症が残った患者さんの血液を調べてみると、ビタミン・ミネラルやさまざまな栄養素が不足していたり、ホルモンのバランスが不調となっているケースが少なくありません。日頃から生活リズムを整えておくとよいでしょう。
そのほか、マスクや手洗い、換気といった基本的な感染対策を怠らない、いざというときにはかかりつけ医や発熱外来へすぐに連絡できるよう受診の流れを前もって確認しておく、といった心がけも大切です。

編集部

人が集まる季節行事の時期は特に気をつけたいですね。

大塚先生

新型コロナは1月と8月の2回ピークが訪れ、お正月やお盆と重なります。若年層は罹患しても熱がそれほど高くならず、自分が感染していることに気づかないまま過ごしていることがあります。家族行事などの集まりが控えているときに少しでも怪しいと思ったら、かかりつけ医で診てもらう、あるいは市販の抗原検査キットで調べてみるだけでも、ご家族を守る対策になります。

配信元: Medical DOC

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