アクティブラーニングが必要とされる理由は?家庭でできる方法も

アクティブラーニングが必要とされる理由は?家庭でできる方法も

アクティブラーニングは、従来の学習方法にはないメリットを持つ学習方法として注目されていますが、子どものころに受けた経験がなくイメージが湧かない人もいるでしょう。アクティブラーニングが必要な理由や、家庭での実践方法などを紹介します。

アクティブラーニングとは?

文部科学省がアクティブラーニングを積極的に取り入れる方針を決めたのは、2017年ごろからです。着々と教育現場に浸透しつつありますが、まだ一般に広く知られているとはいえません。どのような学習方法なのか、見ていきましょう。

「能動的学習」を指す

アクティブラーニングとは「生徒が自ら積極的に考えて学ぶ学習方法」のことです。授業をただ聞くだけでなく、与えられたテーマについて自らの手で調べたり、討論を行ったりして答えを出します。

自分の意見を伝えながら、ほかの生徒の意見を聞いてまとめたり、必要であれば実地調査やインタビューなどを行ったりすることも珍しくありません。

一般的な学習方法は、教師が教科書・イラスト・表などを使って一方的に教え、生徒に理解してもらうように努めますが、アクティブラーニングは生徒が中心となって授業が進みます。

元々は大学の講義や一部の高校の授業などで実践されていましたが、その有用性が注目され義務教育にも取り入れられるようになりました。

アクティブラーニングが必要とされる背景

近年の社会では「IT化」「グローバル化」が進んでおり、今以上に発達した未来では、これまで人の手で行ってきた仕事がAI(人工知能)に取って代わるとされます。

このような時代の変化に応じて、求められる人材の姿は変わってきました。単に知識を持っているだけでなく、AIには成し得ない「物事を主体的に考えて解決する能力」が必要になったのです。

これまでの学習方法では積極性を養うことが難しいため、より発展的な方法が求められるようになり、アクティブラーニングが取り入れられることとなりました。

アクティブラーニングのメリット

アクティブラーニングには従来の学習方法にはない、多くのメリットがあります。どのようなメリットがあるのか、見ていきましょう。

自ら学ぼうとする能力が身につく

自ら学ぼうとする能力を養えるところが、アクティブラーニングにおけるメリットのひとつです。例えば、課題解決型学習(プロジェクトベースドラーニング)では、与えられた課題に対し自分で考えたり、ほかのメンバーと意見を交換したりしながら答えを導き出します。

グループで課題を解決するには、自分の意見を他者にわかりやすく伝える必要があり、資料を集めて情報をまとめるなど、自ら進んで行動しなければなりません。

一方的に講義を聞く学習方法とは異なり、自ら学ぼうとする姿勢がなければうまく議論を進められないでしょう。また、自分だけでなくグループのメンバーとも知識を共有するので、より深く物事を理解できます。

問題解決能力が身につく

アクティブラーニングは問題を解く方法を教わるのではなく、自分で「どうすれば解決できるか」を考えるので、問題解決能力が身につきます。

ときには、答えが出ない問題に対して議論することもあり、生徒が自分で何が問題なのかを見つけ、どうすれば解決できるのかを考えなければなりません。

アクティブラーニングを行えば論理的思考力が鍛えられ、物事を様々な視点から考えられるようになります。

問題が起きたとき、どうすれば解決できるのかを考えられる力は、学習の場だけでなく日常生活や社会に出てからも大いに役立つでしょう。

コミュニケーション能力の発展も

アクティブラーニングでは、グループで問題解決にあたる機会が多く対話が増えるため、コミュニケーション能力も養えます。

グループワークでは自分の意見を言うだけでなく、他者の考えも聞いて判断しなければ結論を導き出せません。ときには、自分よりも他者の言い分を尊重しなければならない場面も出てきます。

コミュニケーションを通じて「様々な考え方」に出会うので視野が広がるとともに、どうすればわかりやすく意見を伝えられるのかを学べて、対話能力も鍛えられるでしょう。

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