外来種問題だけでなく、在来種保護にも関心をもって!
【▲図6: ワンドゥマリの写真。メガキレ・ルキフェルはこのユーカリの仲間に花が咲いている時期にしか採集できなかったので、関連性があるかもしれないよ。 (Credit: Kit S. Prendergast & Joshua W. Campbell.) 】
冒頭で書いた通りメガキレ・ルキフェルは、マリアンタス・アクイロナリスという絶滅が危惧されている花と関連して見つかっているのよね。また、同じ地域で2021年と2024年にそれぞれ調査を行った時、メガキレ・ルキフェルは見つからなかったのよね。
これは、メガキレ・ルキフェルが近寄っていることが確認された、花を付ける別の植物であるユーカリの仲間「ワンドゥマリ (wandoo mallee / Eucalyptus livida)」に関連している可能性があるよ。2021年と2024年の調査時、ワンドゥマリの花は咲いておらず、メガキレ・ルキフェルも見つからなかった一方、2019年の調査時には花が咲いており、メガキレ・ルキフェル以外の昆虫も含め、数千匹もの昆虫がいたんだよね。
メガキレ・ルキフェルの分布や生息数が、絶滅危惧種であるマリアンタス・アクイロナリスに関連しているのか、それとももう少しだけ分布が広いワンドゥマリに関連しているのかどうか。まだこの点は分かってないよ。
ただPrendergast氏は、オーストラリアには学名がつけられていない在来種 (未記載種) が推定500種ほどいると考えられているのに対し、強く関心がもたれているのは外来種の「セイヨウミツバチ (Apis mellifera)」の方であるという状況に一家言あるみたいね。
現在のオーストラリアでは、採掘や農耕などの開発が行われる際、在来種のハチの調査は義務付けられておらず、また学名がないハチは、種の保全に関する公的な立場がないのよね。まだ学名がない新種を見つけて学名をつける分類学的研究は、種の保全に関連してとても重要な位置にある、とPrendergast氏は語っているよ。
そして、これは私の意見というか見解だけど、この新種のハチにルシファーという変わった名前を付けたのは、一般の人々の関心を引き寄せるためだと思うのよね。だって、この記事を開いた人の何割かは、ルシファーという名前に惹かれてこの記事に目を止めてくれたはず。生物の多様性に関する関心を持つきっかけとなった入口が「面白い名前の生物を見かけたから」という動機であっても全然良いと思うのよね。
(文/彩恵りり・サムネイル絵/島宮七月)
参考文献
● Kit S. Prendergast & Joshua W. Campbell. “Megachile (Hackeriapis) lucifer (Hymenoptera, Megachilidae), a new megachilid with demon-like horns that visits the Critically Endangered Marianthus aquilonaris (Pittosporaceae)”. Journal of Hymenoptera Research, 2025; 98, 1017-1030. DOI: doi.org/10.3897/jhr.98.166350
● Lucien Wilkinson. (Nov 11, 2025) “Devilishly distinctive new bee species discovered in WA Goldfields”. Curtin University.
● Kit Prendergast. (Nov 10, 2025) “I discovered a new Australian native bee, but there are still hundreds we need to identify”. The Conversation.
