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木嶋佳苗死刑囚が密かに進めていた“3人との養子縁組”の思惑…接見禁止に備えた周到すぎる決意と3度の獄中結婚〈首都圏連続不審死事件〉

木嶋佳苗死刑囚が密かに進めていた“3人との養子縁組”の思惑…接見禁止に備えた周到すぎる決意と3度の獄中結婚〈首都圏連続不審死事件〉

『週刊新潮』デスクの思いと経緯は…

そして今回わかったのは、2018年1月に彼女は、『週刊新潮』の担当デスクと結婚していたということだ。他の男性とうまくいかなくなったのか、詳細はわからない。あるいは彼女はその『週刊新潮』編集者がお気に入りだったから、死刑囚へのアプローチを続けたいという男性編集者の思いと一致したということなのかもしれない。

『週刊文春』の記事で驚いたのは、木嶋さんが『週刊新潮』のデスクと結婚していたことを、新潮社も『週刊新潮』編集長も知らなかったということだ。『週刊文春』の取材に対して当のデスクは「相手をもっと知りたいと思った時に、手段として結婚の形をとる方向に傾いていったのです」「結婚に後悔はありません」などと答えている。また記事では新潮社関係者が「彼は四十代前半で、記事を執筆するデスクのなかでも、宮本太一編集長の右腕であり、ナンバー2といっていい存在」と語っている。

私は、事件取材に深く立ち入るなら死刑囚と家族になるくらいの覚悟をジャーナリストは持つべきだという考えだから、獄中結婚についても好意的に受け止めた。でも新潮社は、会社としてどう対応すべきか困惑しているようだ。

ネットを見ると、「職業倫理上いかがなものか」という意見が目についた。確かに木嶋死刑囚は凶悪事件の犯人ということだから、世間から見ると、問題ではないかという見方があるのかもしれない。

だからそのデスクのためにも言っておきたいが、刑が確定したとたんに情報が隔絶され実態が隠されてしまう死刑囚の現実を記録し、世に提示するのは、ジャーナリズムの大事な仕事だと思う。ただ、私がそういう意見を『創』などに書いたのに対して、『週刊新潮』や新潮社幹部からは、いやそうではないという指摘があった。取材で関わっているうちに2人は本当に恋愛関係に至ってしまったというのだ。

彼はその後、『週刊新潮』を離れたようだが、いまだにその件の取材申し込みにはいっさい応じていない。それゆえ真相はいまだに不明である。

2024年から、『週刊文春』にノンフィクション作家・石井妙子さんによる木嶋香苗死刑囚についての連載「ウェンカムイ 死刑囚・木嶋佳苗の生痕」が長期にわたって掲載された。丹念な取材によって木嶋さんの連続不審死事件への関わりや、彼女の人間関係などを詳細に掘り下げたものだった。

その中で、『週刊新潮』デスクとの結婚にも言及しているが、石井さんはどうやら、その結婚は、行く行くは木嶋死刑囚についてのノンフィクションを残したいという思惑によるものではないかという見立てのようだ。ほぼ断定的に書いているから、石井さんなりに取材を重ねて何らかの心証を得たのかもしれない。

ただ、当事者がその取材に応じていない以上、真相はこれまでのところわからないままだ。実際はどうなったか。それが明らかになる時期は将来、訪れるのだろうか。

文/篠田博之 編集/月刊「創」編集部 サムネイル/Shutterstock

『死刑囚と家族になるということ』(創出版)

月刊「創」編集部 (編集)『死刑囚と家族になるということ』(創出版)2025/7/141,650円(税込)162ページISBN: 978-4904795880死刑囚と獄中結婚や養子縁組した女性達の手記。やまゆり園殺傷事件、オウムサリン事件など

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