近年のバレンタインデー(以下、VD)は、義理チョコ需要の減少でひとりあたりの予算は減少傾向にあるものの、原材料高騰(カカオショック)などを背景に、チョコ1粒あたりの平均価格は436円と2年連続で過去最高値を更新したそうです(帝国データバンク調べ)。
なんだかんだ盛り上がってるんですね。それに毎年この時季になると、高島屋では『アムール・デュ・ショコラ』、三越伊勢丹グループでは『サロン・デュ・ショコラ』、松屋銀座では『GINZAバレンタインワールド』と、百貨店を中心にイベントも大にぎわい。
特に、職人の名を冠したブランドは信頼のおいしさと華やかさで、毎回大人気を博します。ただ、あえて本稿では趣向を変えてお届けしたい。個人的に推しの、革新性やトレンド面が注目なふたつのブランドを紹介しましょう。
日本における“フルーツ発酵”チョコの先駆者『ダリケー』
ひとつめは、2011年に京都で創業した『dari K(ダリケー)』。『dari』はインドネシア語で「~から」という意味で、『K』は京都(Kyoto)のKであるとともにインドネシアのスラウェシ島の形でもあるんですね。
そう。『ダリケー』は、きっと日本で最もインドネシアラブなショコラトリー。インドネシアのカカオ生産量は世界でも有数ながら、日本にほとんど輸入されていないという点に着目したのが創業理由でもあり、その背景には、インドネシアではチョコレートに不可欠な『発酵』を行わずにカカオを出荷しているという実情がありました。
そこで『ダリケー』は生産者と一緒にカカオを栽培し、発酵方法や選別技術を教えて品質を高め、適正価格で買い取る仕組みを構築。同時に、よりよいカカオ作りを研究する中で培った製法が“フルーツ発酵”です。
これはカカオ豆の発酵プロセスにおいて、フルーツを投入して調和させる技術で、香料を使わなくても豊かな果実味をもたらす点が非常に難しいポイント。この、高度かつ先駆的な取り組みを日本で行うフロントランナーが『ダリケー』です。
▲『カカオが香るチョコレート・トリュフ -shizuku-』
初の商品化は2021年のVD時に、なんとセブン-イレブンで限定販売されましたが、年々商品力や生産性も安定。今季のVD向け新作としては、『カカオが香るチョコレート・トリュフ -shizuku-』(3197円/6種6粒)が目玉となっています。
フルーツ発酵チョコはおくゆかしい果実味がイイ!
6種のうち、フルーツ発酵されているのは2種。味の感想をレビューしましょう。まずは、『ライム発酵』から。ほんのりビターでシャープな柑橘の爽快感は、確かにライムですね。ただ、その風味は奥ゆかしくて絶妙。
カカオのコクとおだやかな甘さ、そしてトリュフならではのじゅんわりした口どけと相まって、実に上品なおいしさです。
次は『みかん発酵』を。おお、これも余韻にみかんの存在をしっかり感じますが、甘さはグッと抑えられ、一方で酸味と香りは十分。いい意味でジューシーさがないため、トリュフチョコとしての貫禄が立っていますね。
これはライムやほかの4粒も同様ですが、『カカオが香るチョコレート・トリュフ -shizuku-』はVDとしての品格とサプライズ感を備えた、エレガントなチョコレートといえるでしょう。
