スーパー戦隊が(一旦の)幕引きを迎え、新番組『超宇宙刑事ギャバン インフィニティ』が絶賛放送中のギャバいこの頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
前回に引き続き、【スーパー戦隊ファイナルウェーブ】をお送りします。書き手である私の極めて個人的な好みにより(ここ重要)、50年の歴史から3作品をピックアップ。それぞれ、印象的だった回、おすすめしたい回、思わず語りたくなる回を取り上げながら、スーパー戦隊の長い歴史に思いを馳せる。そんな連載企画です。
第2回で取り上げるのは、2026年3月現在「東映特撮YouTube Official」で配信中のシリーズ第42作、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』(以下『ルパパト』)!
ライター:結騎了
思考をキーボードに零す人。『リアルサウンド映画部』『週刊はてなブログ』『別冊映画秘宝 特撮秘宝』『平成大特撮』etc. Webメディア / 雑誌 / ムック本等に寄稿。
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同作は、タイトル通り2つの戦隊が入り乱れるシリーズ異色作。失ったものを取り戻すために戦うルパンレンジャーと、世界の平和を守るために戦うパトレンジャー。さらに、異世界の犯罪者集団・ギャングラーとの三つ巴の戦いを通し、濃密なドラマが展開されます。「いつも現場で対立するあの快盗どもが、馴染みの洋食屋の店員たちだったなんて……」。物語は “正体バレ” の爆弾をじっくりことこと温めながら、多くの視聴者を魅了しました。放送当時に発売されたBlu-rayが史上最高の初回出荷数を記録するなど、ファンの人気も高い一作です。
そんな『ルパパト』から選出するのは、こちらの3つのエピソード!
第27話「言いなりダンシング」(監督:加藤弘之、脚本:大和屋暁)
クールで鮮やかなルパンレンジャーの、クールofクールを担うルパンブルー・宵町透真。
彼は敵怪人の能力に操られ、気づいたら妙な古武術の道場にその身を置いていた。「なぜ俺はこんな格好を……」。道着に戸惑う彼の前に現れたのは、なんとパトレン2号こと陽川咲也。短期間で師範代にのぼりつめたという咲也は、先輩風をびゅうびゅう吹かせながら透真に稽古をつける。しかし、音楽にあわせ始まったその踊りは……「どう見てもエアロビクスだ!」
ほとんど縦筋のドラマに影響しない、いわゆる「ギャグ回」にあたる第27話。しかしこの回、『ルパパト』に限らずスーパー戦隊の魅力がつまっている、そう感じるのは私だけでしょうか。
戦隊の大いなる特徴、それはコメディの性格を持ち合わせていること。熱血で真面目なレッドにも実は苦手なものが、性格が真反対なキャラクター同士が敵の能力で入れ替わってしまい、田舎から親が上京してくるため戦士であることがバレないように……。ギャップ、パターン、テンドン。登場人物の掛け合いをリアクションで魅せ、戦闘との緊張感のギャップが笑いにつながる。スーパー戦隊の歴史、それは実は、大いなる「コメディの歴史」とも言えるのです。この朗らかさや面白おかしさ、他の特撮シリーズとはまた違う味なのですよ。
口数少なく立ち居振る舞いがジェントルな透真が、レオタードを着て真顔で真剣にエアロビクスを踊る。戦隊伝統の「クールなブルーいじり」の文脈として、歴代指折りに馬鹿馬鹿しいシーンに仕上がっています(褒めてます)。後半、敵の洗脳に怒り心頭のルパンブルーがいつもより殺意高めにアクションに臨むのもまた面白い。パトレン2号も負けじと、ロボットに乗り込み巨大イマジナリーエアロビクスを披露!(まるで 意☆味☆不☆明 な文字列)
クリスマスにシャケを食ったり、なぜかキツツキが飛んできたりと、人気の高い他のギャグ回とも迷いましたが……。私が推したいのはやはり、戦隊コメディ回の王道を往く「言いなりダンシング」ですね。正体バレを据えた縦軸も大切ですが、キャラ同士の横軸も大変魅力的な『ルパパト』、その真骨頂です。

