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飛騨匠の技を未来へ 岐阜県立木工芸術スクール卒業生が高山市役所に家具を寄贈

市役所を訪れる人を思って作られた家具

今回、高山市役所に寄贈されたのは、ベンチ5台と椅子3脚の計8点の木製家具です。いずれも、岐阜県立木工芸術スクールの卒業生が制作した作品で、市役所の1階ロビーで実際に利用される家具として設置されました。

作品づくりにあたって生徒たちが思い描いたのは、「市役所を訪れる人たちが気持ちよく過ごせる空間」です。高齢の方でも立ち上がりやすい高さや形状を意識したり、ロビーの雰囲気が明るくなるようなデザインを取り入れたりと、使う人の姿を想像しながら制作が進められました。また、座るだけでなく、見て楽しめる家具になるよう工夫が凝らされている点も特徴です。

3月11日に行われた贈呈式では、生徒たちが自ら制作した家具について説明を行い、市長に作品の特徴や思いを伝えました。家具づくりの技術だけでなく、使う人への配慮や空間との調和まで考えて作られた作品は、市役所のロビーに新しい彩りを添えています。

飛騨高山は、日本でも有数の家具の産地として知られています。今回の家具寄贈は、そうしたものづくりの町の魅力を、日常の中で感じてもらうきっかけにもなりそうです。市役所を訪れる多くの人たちが、この家具に触れながら、飛騨高山の木工文化の豊かさをあらためて感じることになるかもしれません。

地域の中で生きる学生たちの家具

岐阜県立木工芸術スクールの学生たちが制作した家具は、今回の市役所ロビーだけでなく、これまでも市内のさまざまな場所で活用されてきました。地域の公共施設や交流拠点などに設置され、訪れる人たちの日常の中で使われています。

こうした取り組みが始まったきっかけのひとつは、令和2年度の出来事でした。当時は新型コロナウイルスの影響により、例年行われていた卒業作品展が開催できなくなりました。そこで、作品を地域の中で活用してもらえないかという提案が生まれ、高山市との連携が始まったといいます。

その後、学生たちの家具や作品は、若者等活動事務所「村半」や「飛騨高山まちの博物館」など、市内のさまざまな施設に寄贈されてきました。さらに、飛騨高山にぎわい交流館「大政」や市役所のこども未来部窓口などにも作品が設置され、地域の人たちに日常的に利用されています。

学生たちが学びの中で生み出した家具が、学校の中だけでなく町の中で使われているという点も、この取り組みの大きな特徴です。家具は、使われてこそ価値が生まれるもの。地域の人たちが実際に座り、触れ、日々の暮らしの中で使うことで、作品は新しい役割を持ち始めます。

今回、市役所に設置された家具もまた、そうした流れの中で生まれたものです。飛騨高山の町の中で、学生たちの作品が静かに人々の暮らしを支えている――。そんな風景は、この町が持つものづくり文化の奥深さを感じさせてくれます。

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