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【舞台の裏側】サーカス団員のリアルな1日と人生を変えた意外な出会い / 木下サーカスの思い出:第26回

【舞台の裏側】サーカス団員のリアルな1日と人生を変えた意外な出会い / 木下サーカスの思い出:第26回

ごく普通の大学生が木下サーカスに入団して10年。気づけば33歳、中堅団員である。裏方も舞台も経験したことで、サーカスの世界をより深く理解できるようになっていた。

舞台に立つ者も、裏で支える者も、役割は違えど優劣はない。テントと共に各地を巡り、同じ場所で寝て同じ舞台を作り上げる……そうして生きている我々は、皆「木下サーカスの団員」であり、ひとつの家族だと思えた。

もしかすると、こういう思いこそが「世界一のサーカス」なのかもしれない。ともあれ今回は、そんなサーカス団員たちの「ある1日」を振り返りたい。

・サーカス団員の1日

何度かお伝えしているが、団員の住まいはテント裏のコンテナ部屋。ドアを開ければ目の前が職場なので通勤時間はゼロ。これは大きなメリットだが「仕事とプライベートの区別がない」とも言える。とはいえ、慣れてしまえばこの環境はかなり楽だった。

朝は共用の炊事場で顔を洗い、身支度を整えたらそのまま会場へ。平日は2回公演で1回目は11時開演。だいたい9時過ぎには仕事が始まる。ちなみに土日は3回公演(現在、土曜日は2回公演)で、もう少し朝が早い。

出勤後はそれぞれの持ち場で準備作業を行う。入場待ちのお客様のチケットを確認して列の整理をし、会場内の掃除をして、売店の開店準備を進める。わたがし機にザラメを入れ、音響照明機材の電源を入れてチェックも行う……やることは意外と多い。

ある程度準備が整ったら、入場待ちのお客さんにパンフレットを立ち売りしに行くのが私の役目だった。「プログラムを1000円で販売していまーす!」と声がけをすると、開演までの暇つぶしに買ってくれる方がちらほらいる。

・入場開始

点呼を終え、開演時間の約30分前になったら入場開始。音響照明ブースから入場曲を流しながら、客入りの様子を確認する。満席に近い場合は、開演時間を少し遅らせることもある。

開演10分前のブザーが鳴ると、オープニングショーに出演する団員たちは舞台裏へ。

客席では「お直り」と呼ばれる案内スタッフが、自由席のお客さんに「もう少し詰めてください」と声をかけていく。というのも、自由席はベンチシートなので、1人でも多くの人に入ってもらうためにはお客さんの協力が欠かせないのだ。

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