【高橋一生の存在感】
私はこのお話のあらすじを読んだとき「高橋一生さんが『森に迷い込んだ男』を演じるのだろうと思っていたけれど、なんと高橋さんが演じているのは「老人」。まさかの役どころでしたが、この老人に隠されたひみつを知れば、この配役にも納得せざるを得ない。
そして、高橋さん以上にすさまじい存在感を放っていたのが、老人の妻・さゆりを演じた蒼戸虹子さんです。
なんと彼女はまだ17歳。さゆりのどこか現実離れした佇まいにどうしようもなく惹かれてしまいますし、歌声の美しいこと……!! これは誰であろうとも、抗えず引き寄せられてしまうにちがいない。
【すねこすりとはなんなのか】
岡山県に伝わる妖怪伝承「脛擦り(すねこすり)」から着想を得ているという本作。
雨の夜に明りのない暗い道を歩いていると、ふとぬかるみに足をとられて転んでしまう。「見えないなにかにいたずらされた」と思い込む、この現象から生まれたのが「脛擦り」のようです。
本作では、最後の最後で「脛擦りの正体」が明らかにされています。ただの気のせいか、それとも妖怪なのか。禍(わざわい)なのか、それとも救いか───。

