「ずっと前の相続なので自分には関係ない」という大きな誤解
利用者から相談時に最も多く聞く誤解はどのようなものか。塩原氏は「随分前の相続なので自分には関係ない、という声が非常に多いです。しかし施行日より前に行われた相続も、過去のものすべてが対象です。この点を理解されていない方がまだ非常に多い印象です」と指摘する。
猶予期限(相続登記は2027年3月末、住所変更登記は2028年3月末)だけを見ると余裕があるように思えるが、申請の準備には予想以上に時間がかかるケースも多い。「残り1年」という感覚が、気づけば「残り数か月」に変わってしまう前に動き出すことが重要だ。
「固定資産税を払っているから大丈夫」——なぜ誤解が生まれるのか
固定資産税を払い、実際に住んでいるのに、なぜ登記しなければならないのか——こうした疑問を持つ人も多い。塩原氏は「固定資産税を払っているだけでは相続したことにはなりません。実際に住んで税金も払っているから自分が所有者のはずだ、と思い込んでしまう方が非常に多いのです」と語る。
固定資産税の納税通知書は相続人代表者に届くため、「手続きが済んでいる」と勘違いしやすい。しかし相続登記は役所が自動で行うものではなく、本人が申請しなければ完結しない。「知らなかった」では済まされない以上、まず自分の状況を確認することが第一歩となるようだ。

