新制度「スマート変更登記」にも落とし穴
今回の全面施行と同時に、「スマート変更登記」の運用も始まる。専用サイトに事前登録しておけば、法務局が住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)から住所・氏名の変更情報を取得し、登記を自動更新する仕組みだ。
ただし、この制度には注意点がある。まず事前の申出がなければ自動更新はされない。海外転勤などで住民票が日本にない場合は対象外となるほか、相続(名義変更)はこの制度の対象外だ。親族が亡くなった際の名義変更は、別途、複雑な相続手続きが必須になる。名前が便利そうに聞こえる分、「全部自動でやってもらえる」という誤解が生まれやすい点にも注意が必要だ。
「まずは早めに動き出すことが大切」
相続登記の猶予期限(2027年3月末)まで残り1年を切ったいま、塩原氏はこう訴える。「書類収集から相続人間の合意形成まで含めると、数か月を要することもあります。期限間際は法務局の混雑も予想されます。ご自身で行うにしても、専門家に頼むにしても、まずは早めに動き出すことが大切です」。
「知らなかった」では済まされない——。4月からの新制度を前に、まず自分や家族の不動産の登記状況を確認することが、何より重要な第一歩となる。
取材協力/塩原優太(しおはら・ゆうた)
株式会社AGE technologies代表取締役社長。スマホで完結する相続手続きWebサービス「そうぞくドットコム」(累計取扱件数55,000件以上)を運営。煩雑な相続手続きのDX化を推進している。
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