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初心者しか出られない中学生バレーボール大会が定員オーバーの大盛況。大会設計の秘訣とは

初心者しか出られない中学生バレーボール大会が定員オーバーの大盛況。大会設計の秘訣とは

のびのびとプレーを楽しむ子どもたち

大会のために集まった東京都の中学生たち

実際、子どもたちはバレーボールを楽しむことはできているのだろうか。

「1月というと、1年生が中学に入学してからバレーボールをはじめて10ヵ月程度が経っていますから、サーブがネットを越えるようになったとか、うまく打てるようになった、となる時期です。そうした、ちょうど同じようなレベルの子たちで試合ができるので、毎回、子どもたちは活き活きとした表情で、のびのびとプレーしています。その姿を見ると、開催までは大変ですがやる価値はあるなと手応えを感じています」(堀江氏)

以前、日本大学と日本体育大学の体育館を借りて大会をした縁から、現在は、両大学を中心に、早稲田大学や中央大学など関東大学バレーボール連盟に所属する大学生が大会をサポートしているそうだ。

「大学生が『パスする前にはこうするんだよ』『スパイクはこうだよ』とか、声を出しながら実演してくれるので、最初は恥ずかしそうにプレーしていた子たちも、『すごい!』と言いながら、自分もやってみるようになります。中学生にとっては、そういったチャレンジのきっかけ、殻をひとつ破る機会になっていると思います。また大学生にとっても、教員や指導者を目指している場合は、教え方を学ぶいい機会にもなっている他、自分は小学生の時から、当たり前のようにバレーボールをやってきたけれど、こんな風に伸び伸びと、楽しくプレーしていた頃もあったなと、初心を思い出すような機会にもなっているようです」(堀江氏)

子どもたちの可能性を伸ばすマルチスポーツ的視点

東京都の「ビギナーズカップ」で活き活きとバレーボールを楽しむ中学生たち

この他にも、たとえばビギナーだけではチームを作れないような場合は各チーム経験者が2人までは入っていい。ただし経験者はスパイクを打ってはいけない、必ずセッターをやらなければいけないといった独自ルールを作って大会を開催している地域もあるという。こうした取り組みによって、競技人口が増えることはバレーボール界にとって意義のあることだが、同時に子どもたちの成長、スポーツ界全体にとっても意義があることだと大竹氏は話す。

「日本のスポーツに対する考え方の1つに、ある競技をやり始めたら、それを徹底的に追求しながらずっとそのスポーツを続けていくというのがあると思います。でも、小中学生の段階では、まだその競技が自分に合っているかどうかは、わからないと思うんです。これは私の考えですが、マルチスポーツ的な考えを持ちながら指導をしていくと、子どもたちが、私はあれもできる、これもできるといったように、スポーツ全般の魅力に気付くことができる。そうすれば、子どもたちはスポーツ全体の中で幅広い視野を持つことができるんじゃないでしょうか」

バレーボールはボールをキープしてはいけない特殊なスポーツで、だからこそ、味方の選手たちの動き、ネットを挟んだ相手選手の動きを見て、自分がどう動くべきか瞬時に判断しなくてはいけない。大竹氏は、この大会を通じて、そうした視野を広げ、判断力を養えるバレーボールの魅力を、一人でも多くの子どもたちに広めていきたいと語ってくれた。

「中学生ビギナー交流大会」に参加した子どもたちの多くが、「中学生からでは遅い」ではなく、「中学生からでも楽しめる」「いつからだって上手くなる可能性がある」ということに気づき、バレーボールを楽しんでいる。バレーボールに限らず、さらに言えばスポーツに限らず、どんなことも遅いということはなく、まずはチャレンジする、そして楽しむことで、さまざまな可能性が広がっていくということを、この大会は教えてくれているのではないだろうか。

text by Kaori Hamanaka(Parasapo Lab)
写真提供:岐阜県バレーボール協会/東京都中学校体育連盟

配信元: パラサポWEB

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