知る人ぞ知るブランド鶏「天城軍鶏」
温泉地として名高い伊豆。その山あいで、ひっそりと、しかし確かな存在感を放つ食材があります。それが天城軍鶏です。生産者の堀江養鶏は3代続く老舗で、狩野川沿いの風通しのよい環境で平飼いにより育てています。一般的なブロイラーの飼育期間が約40日なのに対し、天城軍鶏はその3倍以上にあたる120〜150日。飼料には伊豆名産のわさびの葉茎や豆乳、静岡県産の米を使用し、広い鶏舎を自由に動き回ることで自然と筋肉がつき、臭みがなく噛みしめるほどに旨味が広がる肉質が生まれるといいます。
また、食べチョクの堀江養鶏ページによると、出荷の9割以上が東京・箱根の有名レストラン向けとのこと。試しに調べてみると、都内の高級焼き鳥店でも提供されていることがわかりました。料理人たちがこぞって求める食材が伊豆にあったとは。それを知らずにいたのが、少し悔しいくらいです。
伊豆で実際に食べてみた
紅ほうずき(伊豆市・柏久保)
天城軍鶏を実際に食べられる店として、まず訪れたのが伊豆市・柏久保にある「紅ほうずき」です。注文したのは天城軍鶏焼(2,000円)。塩ベースにネギを合わせたあえてシンプルな味付けだからこそ、肉本来のポテンシャルをそのまま味わえます。身は引き締まっていて程よい弾力があり、噛むたびに旨味がじんわりと広がる過程を堪能できました。
ほかに軍鶏せいろ(2,000円)もあり、出汁の旨味をそばと一緒に味わうのもおすすめです。
月ヶ瀬テラスキッチン(道の駅「伊豆月ヶ瀬」内)
もう一軒、道の駅「伊豆月ヶ瀬」内にある「月ヶ瀬テラスキッチン」にも足を運んでみました。こちらでは天城軍鶏かつ煮定食(税込1,760円)。熱々の鉄鍋で運ばれてきた一品は、ふわふわの卵がカツを包み込み、肉の弾力と甘みがやさしく調和しています。天城軍鶏の旨味が前面に出るというよりも、全体のまとまりの中にその存在感が滲み出てくる、そんな一皿でした。
一緒に訪れた母が注文した親子丼定食(税込1,760円)も同様で、素材同士が引き立て合う美味しさがありました。