未成年者のSNS依存が問題になる中、米国の裁判所で画期的な判断が出た。
カリフォルニア州裁判所の陪審団は3月下旬、写真・動画共有アプリ「インスタグラム」と動画投稿サイト「ユーチューブ」などについて、「利用者が中毒になるように設計されている」として、インスタグラムを運営するメタと、ユーチューブを傘下に持つグーグルに対し、計600万ドル(約9億6000万円)の賠償金を支払うよう命じる評決を出した。
「中毒性」が問題視されており、1990年代からタバコ産業で起きた健康被害の責任を問う巨額訴訟。SNS産業は衰退していったタバコ産業と同じ道をたどるのか――。
6歳からのSNS使用でうつ病に
メタとグーグルを訴えていたのは20歳の女性。原告の主張などによると、女性は6歳の頃からインスタグラムやユーチューブなどのSNSを使い始めて、コンテンツが次々と表示される「無限スクロール」や「おすすめ動画」、「通知機能」、「自動再生」などにより長時間の使用が続き、うつ病を患うなど精神的健康を害するようになった。
原告側は、アルゴリズムや自動通知など中毒性の高い仕組みを意図的に組み込んだことにより、依存するようになったと主張した。
カリフォルニア州裁判所の陪審団は、メタやグーグルが利用者に対して危険性を警告しないなど運営に過失があったことを認め、600万ドルの賠償金支払いを命じた。賠償金の割合はメタ70%、グーグル30%だ。
「SNSの設計自体に問題があるとする画期的な評決で、SNS事業者はビジネスモデルの転換を迫られる可能性があり、メタの株価は急落。メタとグーグルは控訴する方針です」(全国紙記者)
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メタには別途600億円の賠償命令も
また3月下旬、ニューメキシコ州裁判所の陪審団は性的搾取の危険から児童を保護するなど十分な対策を取っていなかったとして、メタに3億7500万ドル(約600億円)の賠償金の支払いを命じる評決を出した。
メタ、ユーチューブ、TikTokなどのSNS事業者は米国の連邦裁判所や州裁判所で、数千件の訴訟を抱えている。これまでは、ハイテク企業の成長を促進するために制定された「通信品位法230条」により、法的な優遇措置を受けてきた。
「カリフォルニア州裁判所の評決が画期的だったのは、利用者の投稿ではなく、SNSの設計自体が争点となったことです。SNSとどう付き合っていくかという人々の意識に変革をもたらすかもしれない。カリフォルニアやニューメキシコの評決の影響が世界に広がる可能性があり、アプリ通知などのビジネスモデルの転換のきっかけになるかもしれない」(SNSに詳しい専門家)
