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「ベビーカーのためでもダメ?」区長に反論した町中華が大炎上…無言電話10件超、店主“悪者扱い”の裏で何が起きたのか(秋葉原)

「ベビーカーのためでもダメ?」区長に反論した町中華が大炎上…無言電話10件超、店主“悪者扱い”の裏で何が起きたのか(秋葉原)

「水たまりなんて見たことないですよ」

投稿の後、店はこんな対応に追われたという。

「樋口区長が23日に『近隣から水たまりの相談がきた』と投稿したことで、私は初めてそうした苦情を知ったわけです。でもその後『苦情が入っていたとはこの投稿で初めて知りました』と言い訳したところで後の祭りです。

X上は大炎上して区長がヒーローで私は悪者みたいになりました。23日のランチタイムは無言電話が10件以上かかってくるし。実は以前からテレビの収録が決まってたんですけど、それもお断りしましたよ。今出たらもっと燃え広がるからごめんなさいって」(同前)

この中華料理店は秋葉原に1990年代にオープンして以降、町中華の定番メニューだけでなくランチビュッフェを行なったり常に新メニューが登場したりと行列ができるほどの人気店だ。テレビにも頻繁に取り上げられ、ファンも多い。同じビルに入る別の会社の社長は言う。

「スロープはあったほうが便利だからということで20年前くらいに所有者さんが設置してくれたはずですよ。このビルに入るほとんどの業者が使いますし、うちも使いますから撤去されたら困りますよ。昭和に建てられたビルは道路の側溝から20㎝以上の段差があるビルが多いでしょ。スロープは必須ですよ。

スロープを切って短くすればいいって話かもしれないけど、それにだって費用かかるでしょ。それに水たまりなんて見たことないですよ」

店の両隣にある飲食店やホテルもこう証言する。

「水たまり? そんなの見たことありません。いつも水はサーっと流れていきますよ」(隣の飲食店)

「水たまりで困ったことはありません。当ホテルはインバウンドの方がほとんどなので、秋葉原の街の印象を良くしたいこともありスタッフが朝に周辺を掃除したりもするんですが、この中華料理屋さんの周辺はいつも綺麗ですよ」(ホテルスタッフ)

「事実の誤解を生じかねない状況であったため、正確な情報を適切に発信していくことが必要」

中華料理店の店主にスロープ撤去の要請を行なった千代田区環境まちづくり総務課の担当者に取材後、改めて問い合わせたが以下の回答だった。

「区といたしましては、建物の入口と道路をつなぐスロープと鉄板の設置が原因で、その建物の近隣の方から『雨水桝まで水が流れず水たまりが出来て困る』というご相談をいただきました。職員が4月13日に現地を確認したところ、スロープと鉄板の下にごみが溜まっていることなどが原因であることが分かりました。

このため、区の職員は 道路法第43条(道路に関する禁止行為)に則り、スロープと鉄板の撤去を要請しましたが、この建物の方からは、ベビーカーや車椅子の方、台車で荷物を運ぶ方が大変だと思うとの意見がありました。そこで、区としては道路法第24条(道路管理者以外が行なう工事)に基づき段差解消(切り下げ)の手続きをするようお伝えしています」

店主がXに投稿し、それに樋口区長が返信したことで店主がX上で大炎上し、集中攻撃を受けている状況について、区は次のように見解を示した。

「事実の誤解を生じかねない状況であったため、正確な情報を適切に発信していくことが必要と考えております」

同じ秋葉原に事務所を構える秋葉原法律事務所の小早川真行弁護士に聞いた。

「道路法43条2号で『みだりに道路に土石、竹木等の物件を堆積し、その他道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞(おそれ)のある行為をすること』が禁止されています。短いスロープは一般的には『道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞』があるか微妙ですが、今回は水たまりができて現実に支障が生じているという判断でしょう」

このように説明したうえで、同弁護士は次のように見解を示した。

「千代田区が『今回撤去を求めるのは、主に道路上への置き看板、登り旗、商品陳列等であり、本件スロープについては、水たまりが生じない状況にできれば撤去までは求めない』」と譲歩すれば穏便ではありました。また、スロープは道路法32条1項4号に該当すると認定できれば、使用希望者は道路使用許可を申請する形にして、適法であることを明確化できます」

4月25日現在、この中華料理店の入るビルのスロープは撤去されている。しかし、こうしたスロープは秋葉原に限らずあらゆる街で目にする。法律の解釈の問題なのか、モラルの問題なのか。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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