・100年のその先へ
そしてメインのトンカツにかぶりつく。断面を見ると衣が分厚く、肉はかなり薄い。いわゆる「紙カツ」状の肉の厚さだ。
しかしこれでいい。いや、これがいい。厚衣にソースをしっかり浸透させれば、美味しさは倍以上に跳ねあがるのである。それこそ紙カツの醍醐味。これこそが、気取らない「昭和の味」を形成しているのだから。
噛み締めるほどに懐かしく、なんだか無性に愛おしい気持ちになってくる。
食後にふと割り箸の袋を見ると、「創業九十余年」の文字が記されていた。1928年に当時の国鉄千葉駅近くで創業し、もうすぐ100周年を迎えるという。
近年は国際情勢や物価高の影響で、原材料費の高騰など苦労も多いはず。だが、この親しみ深く懐かしい味は、どうにかしてこの先もずっと守り抜いてほしいと願う。
洗練された豪華な弁当もいいが、時代を生き抜いてきた真っすぐな駅弁には、それに勝る感動があるのだから。千葉駅を訪れる機会があれば、ぜひ皆さんもこの昭和のぬくもりを味わってみてほしい。
・今回訪問した店舗の情報
店名 万葉軒 ペリエ千葉エキナカ店
住所 千葉県千葉市中央区新千葉1-1-1 ペリエ千葉エキナカ3F
時間 7:00~21:00 土日祝7:00~20:00
定休日 なし(施設に準ずる)
