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あるゲームから始まった25年の探求 『黒牢城』映画化で注目の戦国武将・荒木村重を追い続けた同人誌がアツい

あるゲームから始まった25年の探求 『黒牢城』映画化で注目の戦国武将・荒木村重を追い続けた同人誌がアツい

描かれた村重像を追う

 ご本では、村重が信長の家臣でありながら謀反を起こし、約1年にわたって籠城戦を繰り広げたこと、そのまま歴史のはざまに消えていくのではなく、秀吉の時代には茶人として文化的な立場で再び名を現したことなど、村重を初めて知る人にも理解しやすい基礎情報を紹介しています。それと同時に、メインとなっているのは、村重がこれまでどう描かれてきたかという創作作品の紹介です。

 ゲームや小説など、7つの作品は特にしっかり取り上げつつ、それ以外の作品についても、発表された年代に沿って、村重にまつわる創作がどのように描かれてきたのかをたどっていきます。

 作者さんは、村重が歴史上実在した人物であることへ敬意を払いつつ、「描かれた村重」に着目し、そのイメージの変遷を丹念に読み解いていきます。作品ごとに異なる村重像を受け止めようとする視線を通して、読者にも村重の多様な魅力が伝わってきます。

底力に裏打ちされたスマートさが光る

 何か好きな対象ができたときのエネルギーは、時に暴走するような熱を持っています。けれど、25年も見続けた対象を、世の盛り上がりに合わせるかたちでまとめた本として、このご本は実にスマートです。

 小説や映像の紹介にしても、概要をまとめつつご自身の感じたポイントも挟み込む構成のバランスの良さ。デザイン面でもフォントの選び方や、重要なところは太字にするなど見せ方もとてもすっきりしています。主に文章でつづられますが、作品紹介ページのイラストや、村重の城である有岡城がある伊丹の街あるきマップなど、適所に添えられたイラストもなじんで、読みやすさにつながっています。

 熱にまかせた勢いだけでは到達しえない、よく練り上げられた本のかたちに、25年という積み重ねの力を感じます。文中でも、作者さんご自身の体験として、休職を余儀なくされた折に「まあ荒木村重みたいな人もいるからなんとかなるか…」と思って気が楽になったというエピソードが書かれています。ずっと心の中に村重が居て、折々に向き合ってこられたのではないか……そしてそれがこのスマートかつしっかりとした発露を支えているのではないでしょうか。この盛り上がりのタイミングを面白い! と、村重の奥深さをいま受け取れるうれしさを感じるご本です。

配信元: ねとらぼ

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