・藤田に負けた男
さて、プロレスファン的にそのマーク・ケアーは「藤田和之に負けた相手」というイメージしかない。霊長類最強の男にプロレスラーの藤田が勝ったのだ。それまで日陰に追いやられていたプロレスファンが狂喜乱舞したのも当然であろう。
これがプロレスなら負けたマーク・ケアーの新章が始まるところだが、そうはならないのが総合格闘技の宿命(さだめ)。無敗を手放してしまったマーク・ケアーは、静かに総合格闘技のメインストリームから姿を消した。
正直な話、その後マーク・ケアーに興味を持つこともなければ持つ機会も無かった。……が、映画『スマッシング・マシーン』では、当時のケアーを取り巻く状況や心境などが詳細に明かされていた。
・ロック様、熱演
無敗から最上級の高揚を得る一方で、無敗のプレッシャーに追いつめられるケアー。やがて鎮痛剤中毒になってしまったケアーと恋人のドーン、そして親友の「マーク・コールマン」を中心に物語が進んでいく。
マーク・ケアーを演じるのは我らが “ロック様” こと「ドウェイン・ジョンソン」で、いい意味でロック様っぽくない! 体つき・表情・特に髪の質感はザ・ロックではなく完全にマーク・ケアーであった。
また恋人のドーンを演じるエミリー・ブラントも悪い意味ではなく “一般女性” に成り切っていた点はプロと言うしかない。役柄的にややイラつくポイントも多かったが、それも実話ならではなのだろう。
先述のようにプロレス側からしかマーク・ケアーを見たことが無かったが、映画『スマッシング・マシーン』はそんな私でもグッと来るものがあった。あの頃、プロレスや総合格闘技に熱中した方ならばきっと高確率で同作を楽しめるハズだ。
というわけで、映画『スマッシング・マシーン』が2026年5月15日公開される。なお、同じ「A24」が手掛けた「アイアンクロー(2023年公開)」も名作なので、まだの人には猛烈プッシュでオススメしたい。
参考リンク:映画「スマッシング・マシーン」
執筆:P.K.サンジュン
Photo:©2025 Real Hero Rights LLC
