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「こんなにつらいなんて聞いてなかった」 産後に感じる孤独と“頑張りすぎ”の現実

“ひとりで頑張らなくていい” 保育事業者が産後ケアホテルを始めた理由

医療法人彩陽会 理事長
代官山バースクリニック 院長
佐藤 陽一(さとう よういち)


2022年に代官山ウィメンズクリニックを開院。代官山エリアを中心に産科医療に携わり、妊娠・出産という人生の大切な時間に寄り添ってきました。
大きな喜びがある一方で、不安や戸惑いなど、さまざまな感情が交差する時期だからこそ、一人ひとりの気持ちに丁寧に向き合うことを大切にしています。
医師としてだけでなく、父親として、また患者としての経験も生かしながら、ご家族と同じ目線で歩み、安心して新しい命を迎えられるような産科医療を目指しています。

こうした中、東京都・有明で2026年6月に開業予定となっているのが、産後ケアホテル「Villa Mom(ヴィラマム)」です。

運営するのは、これまで認可保育園やプレミアム保育施設などを手がけてきた株式会社Smile Project。子どもや家族と向き合ってきた保育事業者だからこそ、“出産後のお母さんを支える場所”の必要性を感じていたのかもしれません。
Villa Momでは、産後のお母さんが心身を休めながら過ごせる環境づくりを目指しています。食事や育児サポートだけでなく、医療や保育とも連携しながら、「退院後の不安を一人で抱え込まないための場所」としての役割も意識されています。

また、産婦人科医からは、日本の産後支援には“切れ目”があるという声も上がっています。
一般的に、出産後は数日で退院となりますが、その後は自宅での育児がスタートします。一方で、病院でのサポートは限られており、日々の生活の中で感じる不安や孤独を、すべて医療機関だけで支えることは難しい現実もあります。
さらに、昔のように祖父母と同居する家庭も減り、核家族化が進んだことで、「頼れる人が近くにいない」という状況も増えています。
だからこそ最近は、“退院して終わり”ではなく、その後の生活まで含めて支えていく「切れ目のないケア」が重要視されるようになってきました。

また、「産後ケアの形は100人いれば100通りあっていい」という考え方も心に残りました。
子育ての悩みや家庭環境は、それぞれ違います。実家を頼れる人もいれば、夫婦だけで育児をしている家庭もあります。育児に対する不安の感じ方も人によって異なるからこそ、「こうしなければいけない」と決めつけるのではなく、自分たちに合ったサポートを選べる社会が求められているのかもしれません。

これまでは、「育児は家庭の中で頑張るもの」という考え方が一般的だった部分もあります。しかし今は、“誰かを頼ること”や“休むこと”を前向きに考える流れが、少しずつ広がり始めています。
Villa Momのような施設も、単なる宿泊サービスではなく、「産後を一人で抱え込まないための選択肢」のひとつとして、今後さらに注目されていきそうです。

 「頼ること」がもっと自然になる社会へ 産後ケアが変えようとしているもの

出産後の時間は、本来であれば、心と体をゆっくり回復させながら新しい生活に慣れていく大切な時期です。
しかし現実には、「ちゃんとやらなきゃ」「迷惑をかけたくない」と、自分を追い込んでしまう人も少なくありません。特に日本では、“頑張ること”が美徳のように語られる場面も多く、休むことや誰かを頼ることに、どこか罪悪感を抱いてしまう空気もあります。
だからこそ今回の調査で、「産後ケアは必要だと思う」という声が多く集まっていたことは、とても印象的でした。

“贅沢”というイメージがまだ残っている一方で、本当は「もっと安心して休みたい」「少しでも支えてほしい」と感じている人が多いのかもしれません。
近年は自治体による産後支援も少しずつ広がっていますが、まだ十分とは言えない地域もあります。家庭によって状況が違うからこそ、医療・行政・民間、それぞれが支え合いながら選択肢を増やしていくことが、これからますます重要になっていきそうです。

今回開業予定となっている「Villa Mom」でも、開業を記念した無料体験モニターキャンペーンを実施予定とのこと。こうした取り組みをきっかけに、「産後ケアって特別なものではないんだ」と感じる人も増えていくのかもしれません。

“ひとりで頑張らなくていい”。
そんな考え方がもっと自然に広がっていけば、出産や子育てに対する不安も、少しずつ変わっていくのではないでしょうか。

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